大和ハウス工業の現場監督は年収いくらか
大和ハウス工業の求人を見ていて、実際いくらもらえるのかが分からない。有価証券報告書に載っている平均年収と、現場監督として提示される額は別物です。この記事では、2026年3月期の有報の数字と、そこから読める現場監督のレンジを分けて整理します。
2026年3月期・提出会社単体
1101.1万円
全社員の平均年間給与。現場監督だけの数字ではありません
有価証券報告書に載っている数字
| 平均年間給与 | 1101.1万円 |
|---|---|
| 平均年齢 | 40.7歳 |
| 平均勤続年数 | 15.7年 |
| 従業員数(提出会社単体) | 16,508人 |
| 従業員数(連結) | 55,712人 ※平均年収の母集団ではありません |
| 区分 | 住宅・建築複合大手 |
出典: 大和ハウス工業 2026年3月期 有価証券報告書(EDINET S100YAZ5)(2026-08-03確認)
この1101.1万円は、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の建築技術者の平均641.6万円の約1.72倍にあたります。掲載している7社の中では4位で、最上位の鹿島建設が1245.4万円、最下位の熊谷組が917.9万円です。
現場監督として提示される額
現場監督職の年収は660万〜1090万円が目安です。若手から所長級までを含む幅で、下限に近いのは経験の浅い若手、上限に近いのは大型案件の所長や有資格の管理職です。
この推計は、有報の単体平均・大和ハウス工業の採用ページのモデル年収・公開求人の施工管理職レンジを参照してケンテク編集部が作成しました。実際の提示額は職位・担当案件・勤務地・保有資格で変わります。
職位が上がると、どこまで動くか
大和ハウス工業の現場監督レンジ(660万〜1090万円)を職位で割ると、次のようになります。年齢ではなく任される範囲で動くのが建設業の給与の特徴で、同じ年次でも工区担当のままか所長かで倍近い差が出ます。
| 職位 | 年収の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 新人・若手 | 660万〜780万円 | 写真管理、安全書類、測量補助 |
| 主任・工区担当 | 750万〜880万円 | 工種管理、工程調整 |
| 主任技術者 | 800万〜930万円 | 配置技術者として品質・安全・工程を管理 |
| 現場代理人 | 880万〜1010万円 | 発注者対応、原価・工程責任 |
| 所長 | 970万〜1090万円 | 現場全体の経営 |
職位ごとの構造は建設業共通の目安(厚労省の職種別統計、建設業法上の技術者配置制度、主要ゼネコンの採用情報)に、大和ハウス工業のレンジを当てはめたものです。同社が公表している職位別の給与表ではありません。
額面1101.1万円は、手取りでいくらになるか
有報に載るのは額面です。ここから社会保険料と所得税・住民税が引かれます。大和ハウス工業の平均年間給与1101.1万円の場合、手取りは年間およそ782万円、月あたり65.2万円前後が目安になります。
控除率を約71%として計算した概算です。扶養家族の有無、居住する自治体、企業年金や持株会などの天引きで実際の手取りは変わります。年収が高い帯では厚生年金の標準報酬月額に上限があるため、社会保険料の負担割合は下がります。正確な金額は源泉徴収票と給与明細で確認してください。
大和ハウス工業は住宅事業の比率が高く、営業寄りの職種では成果に連動する部分が給与に含まれます。現場監督職は固定給の比率が高い一方で、社内には変動幅の大きい職種も混在します。平均年収から手取りを逆算するとき、自分の職種の給与構成が平均と同じとは限らない点に注意してください。
年代別に見た年収の目安
建設業の給与は年齢そのものではなく、資格と任される範囲で動きます。ただし現場監督の場合、資格取得と職位の上がり方に一定の順序があるため、年代でおおよその位置は見えます。
| 年代 | 年収の目安 | この時期に起きること |
|---|---|---|
| 20代前半 | 660万〜750万円 | 現場補助、2級取得の準備 |
| 20代後半 | 730万〜840万円 | 工種担当、2級取得 |
| 30代 | 820万〜970万円 | 1級取得、主任・現場代理人 |
| 40代 | 940万〜1070万円 | 所長、管理職候補 |
| 50代 | 1010万〜1090万円 | 統括所長、部門管理 |
年齢階級ごとのカーブは厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の建設業・企業規模1,000人以上のデータと大手ゼネコンの採用情報をもとにした目安に、大和ハウス工業のレンジを当てはめたものです。同社が公表している年代別の給与表ではありません。大和ハウス工業の平均年齢は40.7歳なので、平均年間給与1101.1万円はこの表の40代前後の水準に対応します。
ゼネコン7社の中での位置
| 会社名 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設 | 1245.4万円 | 41.2歳 | 15.7年 |
| 大林組 | 1239.4万円 | 42歳 | 15.9年 |
| 大成建設 | 1191.0万円 | 42.3歳 | 17年 |
| 大和ハウス工業(このページ) | 1101.1万円 | 40.7歳 | 15.7年 |
| 清水建設 | 1043.1万円 | 43.7歳 | 16.1年 |
| 長谷工コーポレーション | 1039.9万円 | 39.4歳 | 14.7年 |
| 熊谷組 | 917.9万円 | 44歳 | 18.6年 |
各社の2026年3月期有価証券報告書より。いずれも提出会社(単体)の値です。詳細はゼネコン年収データベースで公開しています。
7社中4位ですが、スーパーゼネコン4社と同じ枠で読む数字ではありません。単体16,508人という規模は7社で最大で、鹿島建設8,959人の1.8倍です。母集団が大きく職種の幅も広いため、平均値は専業各社より「均された」値になります。清水建設を上回っているという事実より、母集団の性格が違うことのほうが重要です。
なお他社の年収記事では大和ハウス工業の平均年収を1,177万円や1,185万円としているものがあります。これは前の期の有報の数字です。このページの1101.1万円は2026年3月期、つまり2026年6月に提出された最新の有報によります。
ゼネコンの年収が高いのはなぜか
大和ハウス工業を含む大手ゼネコンの平均年収が建築技術者の平均(641.6万円)を大きく上回るのは、単に給与水準が高いからではありません。有報の数字から読める理由が3つあります。
- 母集団に本社機能が含まれる。設計・技術研究所・管理部門・海外事業の担当者が入ります。現場だけの会社の平均とは構成が違います。
- 平均年齢が高い。大和ハウス工業は40.7歳、平均勤続15.7年です。若年層の比率が低いぶん平均が上がります。
- 案件の規模。1件あたりの工事金額が大きく、1人が動かす金額の桁が違います。これは職位が上がったときの上限の高さに効きます。
大和ハウス工業の平均年齢40.7歳は7社で最も若く、平均勤続15.7年と組み合わせると、比較的早く入社して定着する構成が見えます。年齢が若いのに平均年収が1,100万円台に乗るのは、住宅・開発を含む事業構成と、非住宅の大型案件を持つ収益構造の両方が効いていると考えられます。ただしこれは有報の数字から読める範囲の推測で、同社が公表している説明ではありません。
構造の詳細はゼネコンの年収が高い理由で有報をもとに検証しています。
有価証券報告書に出ていないこと
このページの数字はすべて有報によります。逆に言うと、有報に載らない項目は書いていません。次の点は、応募や転職の判断に効くにもかかわらず有報では分かりません。
- 残業時間と残業代の割合。有報の平均年間給与は残業代と賞与を含んだ額です。内訳は分かりません。若手ほど残業代の比率が高い傾向は建設業に共通しますが、大和ハウス工業の実数は公表されていません。
- 役職ごとの給与表。係長・課長といった役職別の金額は有報に出ません。口コミサイトに掲載されている役職別の数字は、社員の申告をもとにした推計です。このページでは扱いません。
- 初任給と退職金。採用ページや労働条件通知書で確認してください。
- 職種別の差。施工管理・設計・技術研究・事務で水準は異なりますが、有報は職種を分けずに平均します。
口コミサイトの推計値を転載しないのは、出所を辿れない数値を実在企業の待遇として提示しないためです。判断に必要な場合は、面接で直接確認するか、労働条件通知書で確かめてください。
大和ハウス工業の場合、この数字をどう読むか
大和ハウス工業の数字は、ゼネコン専業と同じ土俵で比べると読み違えます。単体の従業員16,508人には、住宅の営業職や設計、開発事業の担当者が含まれます。現場監督だけを取り出した数字ではないという点は他社と同じですが、大和ハウス工業の場合は「そもそも建設現場に立たない社員」の比率が専業各社より高いと考えられます。平均年齢40.7歳は7社で最も若く、平均勤続15.7年と合わせると、比較的早い段階で入社して長く在籍する構成がうかがえます。スーパーゼネコン4社と並べた順位そのものより、応募する事業セグメントの給与構造を確認するほうが実務的です。
有報の平均年収を、そのまま自分の年収と比べない
求人を見比べるとき、有価証券報告書の平均年収を並べて判断する人は多いはずです。ただしこの数字には3つの注意があります。
- 母集団が全社員。1101.1万円は16,508人の平均です。管理部門・研究職・営業職を含み、現場監督だけを取り出した数字ではありません。
- 平均年齢に引きずられる。大和ハウス工業の平均年齢は40.7歳です。20代で入社した人がこの額をもらうわけではなく、40代前後の水準が平均を押し上げています。
- 単体と連結が別物。有報の平均年収は提出会社(単体)のものです。連結の従業員数は55,712人で、単体の16,508人とは母集団が違います。求人サイトが「従業員数」として連結を載せている場合、平均年収と並べても対応しません。
大和ハウス工業で働くとき、数字に出ない部分
- 住宅・建築・開発を横断する複合企業で、配属される事業セグメントによって仕事の中身が変わります。
- 提出会社単体の従業員16,508人は7社で最大です。ゼネコン専業(鹿島8,959人・大成9,518人)の倍近い規模で、母集団の性格が違います。
- 住宅事業と非住宅事業(商業施設・物流施設・集合住宅)で給与構造が異なるため、応募時にどちらの配属かを確認する必要があります。
現場監督として評価されるポイント
- 非住宅の大型案件(物流施設・商業施設)を担当できるかどうかで、任される工事金額の桁が変わります。
- ゼネコン専業からの転職では、住宅系のスピード感と件数の多さに戸惑う場面があります。事前に配属予定を聞いておくのが安全です。
この水準を狙うとき、実際に見られる点
当社(株式会社ローカルマーケティングパートナーズ)は建設会社の採用支援を手がけています。中小から大手・中堅へ移る人を見ていると、足りないのは経験そのものではなく、経験の見せ方であることがほとんどです。大和ハウス工業を志望する場合、次の3点が具体的に語れるかで通りやすさが変わります。
- どの事業セグメントを志望するかを、応募の段階で言えるかどうか。住宅と非住宅では求められる経験が違うため、「大和ハウスに入りたい」だけでは配属のミスマッチが起きます。
- 同時に複数現場を回した経験。住宅系は1件あたりの規模が小さいぶん件数が多く、1現場に張り付く働き方しかしてこなかった人は進め方が変わります。
- 施主対応の経験。専業ゼネコンの現場監督は発注者が法人であることが多い一方、住宅系では個人の施主と直接やり取りする場面があります。この違いを理解しているかを見られます。
当社が採用支援の現場で用いている確認観点をまとめたものです。大和ハウス工業が公表している選考基準ではありません。
大和ハウス工業が向いている人・向いていない人
商業施設や物流施設のような非住宅の大型案件に関わりたい人、住宅から非住宅までを横断してキャリアを組みたい人に向きます。一方で、超高層や大規模土木のような専業ゼネコン特有の案件を狙う人にとっては、配属次第で機会が限られます。
住宅・建築・開発を含む複合企業のため、ゼネコン専業4社と直接比較しない。
よくある質問
- 大和ハウス工業の平均年収はいくらですか?
- 2026年3月期の有価証券報告書によると、提出会社単体の平均年間給与は1101.1万円です。平均年齢40.7歳、平均勤続年数15.7年、対象となる単体の従業員数は16,508人です。ただしこれは管理部門や研究職を含む全社員の平均で、現場監督だけの数字ではありません。
- 大和ハウス工業の現場監督の年収レンジはどのくらいですか?
- 660万〜1090万円が目安です。若手から所長級までを含む幅で、有報の単体平均・採用ページのモデル年収・公開求人の施工管理職レンジをもとにケンテク編集部が推計したものです。実際の提示額は職位・担当案件・勤務地・保有資格で変わります。
- 有価証券報告書の平均年収は現場監督の年収と同じですか?
- 同じではありません。有報に載るのは提出会社(単体)の全社員を平均した金額で、管理部門・研究職・営業職を含みます。現場監督個人の提示額は、職位と担当案件の規模で大きく動きます。