鹿島建設の現場監督は年収いくらか
鹿島建設の求人を見ていて、実際いくらもらえるのかが分からない。有価証券報告書に載っている平均年収と、現場監督として提示される額は別物です。この記事では、2026年3月期の有報の数字と、そこから読める現場監督のレンジを分けて整理します。
2026年3月期・提出会社単体
1245.4万円
全社員の平均年間給与。現場監督だけの数字ではありません
有価証券報告書に載っている数字
| 平均年間給与 | 1245.4万円 |
|---|---|
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 平均勤続年数 | 15.7年 |
| 従業員数(提出会社単体) | 8,959人 |
| 従業員数(連結) | 21,170人 ※平均年収の母集団ではありません |
| 区分 | スーパーゼネコン |
出典: 鹿島建設 2026年3月期 有価証券報告書(EDINET S100YGGI)(2026-08-03確認)
この1245.4万円は、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の建築技術者の平均641.6万円の約1.94倍にあたります。掲載している7社の中では1位で、最上位の鹿島建設が1245.4万円、最下位の熊谷組が917.9万円です。
現場監督として提示される額
現場監督職の年収は750万〜1330万円が目安です。若手から所長級までを含む幅で、下限に近いのは経験の浅い若手、上限に近いのは大型案件の所長や有資格の管理職です。
この推計は、有報の単体平均・鹿島建設の採用ページのモデル年収・公開求人の施工管理職レンジを参照してケンテク編集部が作成しました。実際の提示額は職位・担当案件・勤務地・保有資格で変わります。
職位が上がると、どこまで動くか
鹿島建設の現場監督レンジ(750万〜1330万円)を職位で割ると、次のようになります。年齢ではなく任される範囲で動くのが建設業の給与の特徴で、同じ年次でも工区担当のままか所長かで倍近い差が出ます。
| 職位 | 年収の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 新人・若手 | 750万〜910万円 | 写真管理、安全書類、測量補助 |
| 主任・工区担当 | 880万〜1040万円 | 工種管理、工程調整 |
| 主任技術者 | 940万〜1110万円 | 配置技術者として品質・安全・工程を管理 |
| 現場代理人 | 1040万〜1230万円 | 発注者対応、原価・工程責任 |
| 所長 | 1170万〜1330万円 | 現場全体の経営 |
職位ごとの構造は建設業共通の目安(厚労省の職種別統計、建設業法上の技術者配置制度、主要ゼネコンの採用情報)に、鹿島建設のレンジを当てはめたものです。同社が公表している職位別の給与表ではありません。
額面1245.4万円は、手取りでいくらになるか
有報に載るのは額面です。ここから社会保険料と所得税・住民税が引かれます。鹿島建設の平均年間給与1245.4万円の場合、手取りは年間およそ884万円、月あたり73.7万円前後が目安になります。
控除率を約71%として計算した概算です。扶養家族の有無、居住する自治体、企業年金や持株会などの天引きで実際の手取りは変わります。年収が高い帯では厚生年金の標準報酬月額に上限があるため、社会保険料の負担割合は下がります。正確な金額は源泉徴収票と給与明細で確認してください。
鹿島建設の場合、海外プロジェクトに従事する期間があると、赴任手当や住居の扱いで手取りの感覚が国内勤務時と変わります。額面が同じでも可処分所得が動くため、海外勤務の可能性がある職種では、国内基準の手取り計算をそのまま当てはめないほうが安全です。
年代別に見た年収の目安
建設業の給与は年齢そのものではなく、資格と任される範囲で動きます。ただし現場監督の場合、資格取得と職位の上がり方に一定の順序があるため、年代でおおよその位置は見えます。
| 年代 | 年収の目安 | この時期に起きること |
|---|---|---|
| 20代前半 | 750万〜880万円 | 現場補助、2級取得の準備 |
| 20代後半 | 850万〜990万円 | 工種担当、2級取得 |
| 30代 | 970万〜1170万円 | 1級取得、主任・現場代理人 |
| 40代 | 1130万〜1300万円 | 所長、管理職候補 |
| 50代 | 1230万〜1330万円 | 統括所長、部門管理 |
年齢階級ごとのカーブは厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の建設業・企業規模1,000人以上のデータと大手ゼネコンの採用情報をもとにした目安に、鹿島建設のレンジを当てはめたものです。同社が公表している年代別の給与表ではありません。鹿島建設の平均年齢は41.2歳なので、平均年間給与1245.4万円はこの表の40代前後の水準に対応します。
ゼネコン7社の中での位置
| 会社名 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続 |
|---|---|---|---|
| 鹿島建設(このページ) | 1245.4万円 | 41.2歳 | 15.7年 |
| 大林組 | 1239.4万円 | 42歳 | 15.9年 |
| 大成建設 | 1191.0万円 | 42.3歳 | 17年 |
| 大和ハウス工業 | 1101.1万円 | 40.7歳 | 15.7年 |
| 清水建設 | 1043.1万円 | 43.7歳 | 16.1年 |
| 長谷工コーポレーション | 1039.9万円 | 39.4歳 | 14.7年 |
| 熊谷組 | 917.9万円 | 44歳 | 18.6年 |
各社の2026年3月期有価証券報告書より。いずれも提出会社(単体)の値です。詳細はゼネコン年収データベースで公開しています。
掲載7社の中で最も高い水準ですが、2位の大林組との差は約6万円で、実質的には横並びです。順位そのものより、鹿島建設の平均年齢41.2歳が大成建設42.3歳・清水建設43.7歳より若い点に意味があります。年齢構成が若いにもかかわらず平均が最上位ということは、同年代で比べたときの水準が相対的に高い可能性を示します。
なお他社の年収記事では鹿島建設の平均年収を1,177万円や1,185万円としているものがあります。これは前の期の有報の数字です。このページの1245.4万円は2026年3月期、つまり2026年6月に提出された最新の有報によります。
ゼネコンの年収が高いのはなぜか
鹿島建設を含む大手ゼネコンの平均年収が建築技術者の平均(641.6万円)を大きく上回るのは、単に給与水準が高いからではありません。有報の数字から読める理由が3つあります。
- 母集団に本社機能が含まれる。設計・技術研究所・管理部門・海外事業の担当者が入ります。現場だけの会社の平均とは構成が違います。
- 平均年齢が高い。鹿島建設は41.2歳、平均勤続15.7年です。若年層の比率が低いぶん平均が上がります。
- 案件の規模。1件あたりの工事金額が大きく、1人が動かす金額の桁が違います。これは職位が上がったときの上限の高さに効きます。
鹿島建設は連結21,170人に対して単体8,959人と、単体の比率が7社の中で低いほうです。連結子会社に施工や専門工事の機能が分かれており、単体には本社機能と基幹職が集まる構成になっています。有報の平均年収が単体ベースであることを踏まえると、この構成そのものが平均を押し上げる要因になります。
構造の詳細はゼネコンの年収が高い理由で有報をもとに検証しています。
有価証券報告書に出ていないこと
このページの数字はすべて有報によります。逆に言うと、有報に載らない項目は書いていません。次の点は、応募や転職の判断に効くにもかかわらず有報では分かりません。
- 残業時間と残業代の割合。有報の平均年間給与は残業代と賞与を含んだ額です。内訳は分かりません。若手ほど残業代の比率が高い傾向は建設業に共通しますが、鹿島建設の実数は公表されていません。
- 役職ごとの給与表。係長・課長といった役職別の金額は有報に出ません。口コミサイトに掲載されている役職別の数字は、社員の申告をもとにした推計です。このページでは扱いません。
- 初任給と退職金。採用ページや労働条件通知書で確認してください。
- 職種別の差。施工管理・設計・技術研究・事務で水準は異なりますが、有報は職種を分けずに平均します。
口コミサイトの推計値を転載しないのは、出所を辿れない数値を実在企業の待遇として提示しないためです。判断に必要な場合は、面接で直接確認するか、労働条件通知書で確かめてください。
鹿島建設の場合、この数字をどう読むか
鹿島建設の平均年間給与は、掲載しているゼネコン7社の中で最も高い水準です。ただし平均年齢41.2歳・平均勤続15.7年という構成を見ると、この額は中堅からベテランの層が押し上げたものだと分かります。新卒で入って数年の現場監督が同じ額を受け取るわけではありません。従業員8,959人という単体の規模は、スーパーゼネコンの中では中位です。土木と建築の両方を抱え、海外案件の比率も高いため、同じ社内でも配属によって年収カーブの形が変わります。求人票の「平均年収1,245万円」を自分の提示額の予想として使うと、実態から離れます。
有報の平均年収を、そのまま自分の年収と比べない
求人を見比べるとき、有価証券報告書の平均年収を並べて判断する人は多いはずです。ただしこの数字には3つの注意があります。
- 母集団が全社員。1245.4万円は8,959人の平均です。管理部門・研究職・営業職を含み、現場監督だけを取り出した数字ではありません。
- 平均年齢に引きずられる。鹿島建設の平均年齢は41.2歳です。20代で入社した人がこの額をもらうわけではなく、40代前後の水準が平均を押し上げています。
- 単体と連結が別物。有報の平均年収は提出会社(単体)のものです。連結の従業員数は21,170人で、単体の8,959人とは母集団が違います。求人サイトが「従業員数」として連結を載せている場合、平均年収と並べても対応しません。
鹿島建設で働くとき、数字に出ない部分
- 海外大型プロジェクト・インフラ整備・都市再開発の比率が高く、配属先で担当する工事の性格が大きく変わります。
- 全国転勤と海外勤務の可能性が他のスーパーゼネコンより高めで、勤務地が年収レンジの位置を左右します。
- 平均勤続年数15.7年は7社の中では中位で、長く在籍する人と中途で動く人が混在する構成です。
現場監督として評価されるポイント
- 現場代理人としての経験が評価されやすく、大型案件で発注者対応まで担った実績が効きます。
- 1級施工管理技士に加えて、大規模案件の主任技術者・監理技術者としての配置経験が問われます。
この水準を狙うとき、実際に見られる点
当社(株式会社ローカルマーケティングパートナーズ)は建設会社の採用支援を手がけています。中小から大手・中堅へ移る人を見ていると、足りないのは経験そのものではなく、経験の見せ方であることがほとんどです。鹿島建設を志望する場合、次の3点が具体的に語れるかで通りやすさが変わります。
- 担当した工事金額の桁。中小から移る場合、数億円規模の実績しかないと、書類の段階で大型案件の担当者として読まれません。金額・工期・協力会社数の3つを具体的な数字で書けるかが分かれ目になります。
- 発注者と直接やり取りした経験の有無。鹿島建設の案件は発注者対応の比重が大きく、社内調整だけを担当してきた経歴だと役割のイメージが伝わりません。
- 1級施工管理技士は前提に近く、そのうえで監理技術者として実際に配置された履歴があるかを見られます。資格を持っているだけの状態と、配置経験があるのとでは評価が変わります。
当社が採用支援の現場で用いている確認観点をまとめたものです。鹿島建設が公表している選考基準ではありません。
鹿島建設が向いている人・向いていない人
大型案件で発注者と直接やり取りする経験を積みたい人、転勤や海外勤務を前向きに受け止められる人に向きます。逆に、勤務地を固定したい人や、住宅系の短工期の案件を数多く回すほうが得意な人には、鹿島建設の案件構成は合いにくい場面があります。
よくある質問
- 鹿島建設の平均年収はいくらですか?
- 2026年3月期の有価証券報告書によると、提出会社単体の平均年間給与は1245.4万円です。平均年齢41.2歳、平均勤続年数15.7年、対象となる単体の従業員数は8,959人です。ただしこれは管理部門や研究職を含む全社員の平均で、現場監督だけの数字ではありません。
- 鹿島建設の現場監督の年収レンジはどのくらいですか?
- 750万〜1330万円が目安です。若手から所長級までを含む幅で、有報の単体平均・採用ページのモデル年収・公開求人の施工管理職レンジをもとにケンテク編集部が推計したものです。実際の提示額は職位・担当案件・勤務地・保有資格で変わります。
- 有価証券報告書の平均年収は現場監督の年収と同じですか?
- 同じではありません。有報に載るのは提出会社(単体)の全社員を平均した金額で、管理部門・研究職・営業職を含みます。現場監督個人の提示額は、職位と担当案件の規模で大きく動きます。