「うちの職人が30年働いたら、退職金はいくらになるのか」。この問いに即答できる建設会社の経営者は多くありません。建設業退職金共済(建退共)は、共済証紙の1日券を320円で購入して手帳に貼る、仕組みとしてはシンプルな制度です。ただし支給額は掛金の総額に運用分が乗るかたちで決まるため、納付期間が長いほど掛金との差が開きます。
この記事では、建退共の退職金額を勤続年数別に整理し、事業者が払う掛金との比較、中小企業退職金共済(中退共)との比較計算、税務上の取り扱いまで解説します。「技能者に退職金をいくら払えるか」「証紙購入コストに見合うのか」を経営判断できる情報を提供します。
建退共の仕組みを簡単におさらい
建退共は、建設業界全体で技能者の退職金を積み立てる国の制度です。事業者が技能者の就業1日につき証紙1枚(320円)を手帳に貼り付け、転職しても積み立て日数が通算されます。制度の概要・加入手順・対象者の要件は建退共とは?仕組みと申請手順を解説で解説しています。
この記事では計算方法に焦点を絞り、勤続年数別の退職金額・掛金との比較・中退共との比較計算・税務上の取り扱いを解説します。
退職金の決まり方 — 掛金の総額に運用分が乗る
事業者が払うのは「証紙1枚320円 × 就業日数」です。ただし技能者が受け取る退職金は、その掛金の総額に予定運用利回りを加えて計算されるため、単純な「日数 × 320円」にはなりません。
金額は建退共が国の定めた基準で計算して公表しています。「1日あたりいくらで積み上がるか」を独自に想定して試算すると、実額と大きくずれます。
公式が公表している退職金額
建退共は、掛金日額320円で加入した場合の退職金額を公表しています。自社で試算する前に、まずこの表を見てください。
| 掛金納付年数(月数) | 退職金額 |
|---|---|
| 1年(12月) | 24,192円 |
| 2年(24月) | 161,280円 |
| 5年(60月) | 414,087円 |
| 10年(120月) | 893,559円 |
| 20年(240月) | 1,933,479円 |
| 30年(360月) | 3,038,919円 |
| 40年(480月) | 4,268,007円 |
ここで注意したいのが月数の数え方です。建退共は21日分の掛金納付を1月として換算します。年間250日前後働く技能者なら、おおむね1年で12月分が積み上がる計算です。
なお退職金を受け取るには、掛金の合計が12月(21日分を1月と換算)以上になっている必要があります。1年に満たない期間で建設業を離れた場合、退職金は支給されません。
上の金額は、令和3年10月1日以降に加入し、掛金日額320円で納付し続けた場合のものです。320円になる前から掛けている技能者の退職金は、それぞれの掛金日額と予定運用利回りに応じて別に計算されます。
出典: 建退共制度|退職金の受け取りについて — 建設業退職金共済事業本部(2026-08-09 確認)
勤続年数別に、掛金と退職金を並べる
公式が公表している退職金額と、その間に事業者が払う掛金を並べます。21日分を1月として換算するという建退共の数え方に合わせています。
| 勤続年数 | 納付月数 | 納付日数 | 事業者が払う掛金 | 退職金額 | 差額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5年 | 60月 | 1,260日 | 403,200円 | 414,087円 | +10,887円 |
| 10年 | 120月 | 2,520日 | 806,400円 | 893,559円 | +87,159円 |
| 20年 | 240月 | 5,040日 | 1,612,800円 | 1,933,479円 | +320,679円 |
| 30年 | 360月 | 7,560日 | 2,419,200円 | 3,038,919円 | +619,719円 |
| 40年 | 480月 | 10,080日 | 3,225,600円 | 4,268,007円 | +1,042,407円 |
掛金は「320円 × 納付日数」、退職金額は建退共の公表値です。
5年の時点ですでに退職金が掛金を上回ります。長く働くほど差は開き、30年では約62万円、40年では約104万円が掛金を超えて支給される計算です。
ここで注意したいのは、この差額は事業者の損ではないという点です。事業者が払うのは掛金だけで、上乗せ分は制度の運用によって生まれます。自社で退職金を積み立てる場合と違い、運用の責任を負わずに済みます。
証紙の積み立てコストと損金算入効果
証紙購入費の損金算入
事業者が証紙を購入した費用は、全額「損金(費用)」として計上できます。社内に退職金引当金を積み立てる場合と違い、支出したタイミングで費用処理が確定するため、決算の見通しが立てやすくなります。
法人税率25%で計算した場合の実質コストを、技能者5名・年間250日就業で試算します。
- 年間証紙購入額: 320円 × 5名 × 250日 = 400,000円
- 損金算入による節税額(税率25%): 400,000円 × 25% = 100,000円
- 実質年間コスト: 400,000円 - 100,000円 = 300,000円
- 技能者1名あたり実質年間コスト: 60,000円(月換算5,000円)
損金算入を考慮すると、月あたりの実質コストは技能者1名につき約5,000円です。この金額を採用コストと並べて判断してください。
元請けからの証紙支給がある場合
公共工事では、発注機関が元請けに証紙を交付し、元請けが下請けに配布する仕組みが運用されています。元請けからの証紙支給がある場合、その分の購入コストは発生しません。支給分を超えて自社で証紙を追加購入することも可能です。
元請けから支給された証紙を換金したり退職金積み立て以外の目的で使用することは法律違反のため、社内で徹底した管理が必要です。
中退共との比較計算
建退共と混同されやすい「中小企業退職金共済(中退共)」との違いを、計算面から整理します。
中退共の基本的な計算方法
中退共の退職金は、毎月の掛金と納付月数で決まります。建退共のように日数で積み上げるのではなく、掛金月額ごとの「基本退職金額表」に納付月数を当てて金額が出ます。こちらも自分で計算する必要はありません。
| 納付年数 | 掛金月額5,000円 | 掛金月額10,000円 | 掛金月額20,000円 |
|---|---|---|---|
| 5年(60月) | 304,100円 | 608,200円 | 1,216,400円 |
| 10年(120月) | 632,800円 | 1,265,600円 | 2,531,200円 |
| 20年(240月) | 1,333,300円 | 2,666,600円 | 5,333,200円 |
| 30年(360月) | 2,106,550円 | 4,213,100円 | 8,426,200円 |
上の金額は基本退職金です。実際の受取額には、これに付加退職金が上乗せされます。付加退職金は運用収入の状況に応じて年度ごとに決まるもので、支給率が0の年度も少なくありません(令和8年度は0.61%)。
出典: 基本退職金額表 — 中小企業退職金共済事業本部(2026年8月確認)
建退共と中退共の比較計算
両制度は掛金の単位が違うため、条件をそろえた比較はできません。20年勤続で、事業者が払う掛金と技能者が受け取る額を並べます。
| 項目 | 建退共 | 中退共(掛金月額10,000円) |
|---|---|---|
| 20年間の掛金 | 1,612,800円(320円×5,040日) | 2,400,000円(10,000円×240月) |
| 20年時点の支給額 | 1,933,479円 | 2,666,600円(基本退職金) |
| 掛金との差 | +320,679円(+19.9%) | +266,600円(+11.1%) |
支給額そのものは中退共のほうが大きくなりますが、事業者が払う掛金も約79万円多くかかります。掛金に対してどれだけ上乗せされるかで見ると、建退共のほうが高くなります。加えて建退共には転職時の日数通算があり、建設業界の中で勤務先が変わっても積み立てが途切れません。
どちらを選ぶべきか
| 比較項目 | 建退共 | 中退共 |
|---|---|---|
| 対象 | 建設現場で働く技能者のみ | 全従業員(事務職員を含む) |
| 積み立て方法 | 証紙の貼り付け(日単位) | 月次の掛金振替(月単位) |
| 転職時の扱い | 日数通算(業界内で引き継ぎ) | 原則退職時に支給 |
| 月額掛金の範囲 | 1日320円(就業20〜25日で月6,400〜8,000円) | 5,000〜30,000円(選択式) |
| 公共工事との関係 | 入札参加要件に影響する場合あり | 関係なし |
| 新規加入補助 | 初回交付の共済手帳50日分を国が補助 | 加入後1年間、国から掛金の一部を補助 |
建設業では「現場技能者は建退共、事務職員・管理部門は中退共」と使い分けるケースが多くみられます。中退共の新規加入補助(月額5,000円掛金の場合、初年度に月2,500円を国が補助)も活用すると、事務・管理部門の退職金コストを抑えながら制度を整備できます。
退職金の税務上の取り扱い — 退職所得控除を活用する
建退共から技能者に支払われる退職金は、税務上「退職所得」として扱われます。通常の給与所得より税負担が軽い点が、技能者にとっての大きなメリットです。
退職所得の計算方法
退職所得の計算式を整理します。
課税退職所得金額 = (退職金支給額 - 退職所得控除額) × 1/2
退職所得控除額は勤続年数に応じて増えます。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年) |
勤続年数に1年未満の端数があるときは、切り上げて1年として数えます。
出典: No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) — 国税庁(2026年8月確認)
具体的なシミュレーション(勤続20年・退職金193万円の場合)
- 退職金支給額: 1,933,479円(前述のシミュレーションより)
- 退職所得控除額: 40万円 × 20年 = 8,000,000円
- 課税退職所得: (1,933,479円 - 8,000,000円) = マイナスのため課税なし
勤続20年で退職金193万円の場合、退職所得控除額(800万円)が退職金額を大きく上回るため、所得税はかかりません。
勤続30年・退職金304万円の場合
- 退職金支給額: 3,038,919円
- 退職所得控除額: 800万円 + 70万円 ×(30年 - 20年)= 1,500万円
- 課税退職所得: (3,038,919円 - 15,000,000円) = マイナスのため課税なし
建退共の退職金水準(勤続40年で約427万円)では、勤続年数が長くなるほど退職所得控除額が大きくなるため、実際には所得税がほぼゼロになるケースが多くあります。受け取り側の技能者にとって税負担がほぼない形で退職金を受け取れる点は、採用・定着の訴求で積極的に伝えたいポイントです。
退職所得控除の適用を受けるには、技能者が「退職所得の受給に関する申告書」を建退共経由で手続きする必要があります。この申告書を提出しない場合、退職金の20.42%が源泉徴収されるため、受け取り側に注意を促すことが重要です。
事業者にとってのコスト管理 — 証紙購入計画の立て方
年間の証紙購入コストを事前に見積もっておくと、退職金引当金の代わりとして機能させながら資金計画を立てられます。
技能者規模別の年間コスト試算
| 技能者数 | 年間就業日数(1名あたり) | 年間証紙購入枚数 | 年間コスト | 損金算入後の実質コスト(税率25%) |
|---|---|---|---|---|
| 5名 | 250日 | 1,250枚 | 400,000円 | 300,000円 |
| 10名 | 250日 | 2,500枚 | 800,000円 | 600,000円 |
| 20名 | 250日 | 5,000枚 | 1,600,000円 | 1,200,000円 |
| 30名 | 250日 | 7,500枚 | 2,400,000円 | 1,800,000円 |
| 50名 | 250日 | 12,500枚 | 4,000,000円 | 3,000,000円 |
20名規模の建設会社では、年間160万円の証紙購入費が発生するが、損金算入を考慮すると実質120万円程度です。技能者1名あたりの実質コストは月額約5,000円です。
月次管理のポイント
証紙の管理で最も重要なのは、月末の照合作業です。技能者別の就業日数と証紙貼り付け枚数を月次で照合し、過不足がないかを確認します。貼り忘れた証紙は原則として後から補填できないため、月次照合の習慣が積み立て精度に直結する。
| 月次照合の確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 技能者別就業日数 | 勤怠記録・日報との照合 |
| 証紙購入枚数 | 購入伝票・領収書の集計 |
| 証紙使用枚数(手帳貼付) | 手帳記録との照合 |
| 在庫証紙枚数 | 購入合計 - 使用合計 |
| 新規技能者の手帳申請済み確認 | 入社日と手帳交付日の照合 |
GPS対応の勤怠管理アプリを導入している建設会社では、現場ごとの就業日数が自動で記録されるため、証紙貼り付けの根拠データを勤怠データから直接引き出せます。手作業での集計が不要になり、人的ミスも減ります。
計算結果を採用・定着の訴求に活用する
退職金の金額は、採用面接や入社時の説明で使えます。「30年勤続すれば約304万円」と具体的な数字で示せると、長期定着の動機づけになります。しかも受け取る額は、会社が払う掛金を上回ります。5年時点ですでに上回り、30年では約62万円の差がつきます。
建退共を採用・定着戦略にどう活かすかの詳細は、建退共とは?仕組みと申請手順の「建退共を採用・定着戦略に活かす」で解説しています。
建退共の加入をキャリアアップ助成金と組み合わせて活用する方法もあります。詳しくは建退共とは?仕組みと申請手順の「建退共×キャリアアップ助成金の組み合わせ」を参照してほしい。
建退共と小規模企業共済 — 経営者自身の老後資金の選択肢
建退共の技能者(被共済者)は雇用される労働者に限られるため、経営者本人は制度の対象外です。一人親方や中小建設会社の経営者が自分自身の退職金・老後資金を準備するには、別の制度を活用する必要があります。
小規模企業共済
小規模企業共済は、中小企業の経営者・役員・個人事業主が加入できる「経営者向けの退職金制度」です。月額掛金1,000円〜70,000円を積み立て、廃業・退職時に共済金として受け取れる。掛金は全額が所得控除になる点が最大のメリットで、節税効果が高い水準です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加入対象 | 中小企業の経営者・役員・個人事業主(建設業を含む) |
| 月額掛金 | 1,000円〜70,000円(500円単位) |
| 掛金の所得控除 | 全額(年間最大84万円の所得控除) |
| 受取時の税優遇 | 退職所得扱い(退職所得控除を適用) |
| 運営機関 | 独立行政法人中小企業基盤整備機構 |
月額70,000円を掛け続けた場合、20年間で約1,680万円を積み立てられる(利息分を含むと実際の受取額はさらに増える)。所得税率30%と仮定すると、年間84万円の所得控除で節税額は年間約25万円になる計算です。20年間で節税効果だけで500万円超になるため、経営者の節税対策として非常に有効です。
出典: 小規模企業共済制度 — 独立行政法人中小企業基盤整備機構
iDeCo(個人型確定拠出年金)との組み合わせ
一人親方や個人事業主の建設業者には、小規模企業共済とiDeCoを組み合わせる方法もあります。iDeCoも月額掛金が全額所得控除になる点は小規模企業共済と同じですが、投資信託等で運用するため将来の受取額は変動します。節税しながら老後資金を積み立てたいなら、両方を併用するのが基本形です。
建設業の技能者向け退職金制度の全体像
建設業で働く人の退職金制度をまとめると、次のような全体像です。
| 立場 | 利用できる制度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 現場技能者(従業員) | 建退共 | 転職しても通算。証紙方式 |
| 事務・管理職(従業員) | 中退共 | 月額掛金方式。新規加入補助あり |
| 会社経営者・役員 | 小規模企業共済 | 全額所得控除。廃業・退職時に受取 |
| 一人親方(個人事業主) | 小規模企業共済 / iDeCo | 両方活用可能 |
この整理をもとに、自社の従業員構成に合わせた退職金制度を設計することで、採用競争力と経営者の老後資金準備を同時に進められます。
計算に影響する制度改正の動向
建退共の制度は近年改正が進んでおり、計算に影響する変更点を押さえておく必要があります。電子申請システムの詳細については建退共とは?仕組みと申請手順の「電子化の動向」セクションを参照してほしい。
証紙単価の改定
建退共の掛金日額(320円)は、経済情勢や制度の運用状況を踏まえて改定されることがあります。過去にも改定されているため、試算するときは必ず現在の単価を確認してください。最新の単価は建退共の証紙貼付方式のページで公表されています。
建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携
建設業のキャリアアップを支援する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」と建退共の連携も進んでいる。CCUSで記録された就業履歴データを建退共の積み立て日数管理に活用することで、手動入力の手間を削減できる仕組みの整備が進んでいる。
CCUSとの連携が本格化すれば、「現場でCCUSカードをかざす → 就業実績が自動記録 → 建退共の積み立て日数に自動反映」という流れが実現し、事業者の事務負担が大幅に軽減される見通しです。
出典: 建設キャリアアップシステム(CCUS)と建退共の連携 — 建退共
参考情報
- 建設業退職金共済事業本部(建退共)公式サイト — 独立行政法人勤労者退職金共済機構
- 退職金の受け取りについて — 建退共
- 建退共電子申請システムについて — 建退共
- 中小企業退職金共済制度(中退共)のご案内 — 独立行政法人勤労者退職金共済機構
- 建設業における人材確保・育成 — 国土交通省、2024年度版
- 所得税法 退職所得の規定 — e-Gov法令検索
よくある質問
- 建退共の退職金はどうやって計算しますか?
- 自分で単価を積み上げて計算する必要はありません。建退共が掛金日額320円で納付した場合の退職金額を公表しており、5年(60月)414,087円、10年(120月)893,559円、20年(240月)1,933,479円、30年(360月)3,038,919円です。21日分の掛金納付を1月として換算します。
- 勤続10年の退職金はいくらになりますか?
- 建退共が公表している退職金額は、掛金日額320円で10年(120月)納付した場合に893,559円です。同じ期間に事業者が払う掛金は806,400円(320円×2,520日)なので、10年時点ですでに退職金が掛金を上回ります。建退共は21日分の掛金納付を1月として換算する点に注意してください。
- 建退共の退職金に税金はかかりますか?
- 退職金は税務上「退職所得」として扱われ、退職所得控除が適用されます。勤続20年の控除額は800万円で、建退共の退職金水準(数百万円)では所得税がほぼゼロになるケースが多いです。ただし「退職所得の受給に関する申告書」の提出が必要です。
- 中退共と建退共はどちらがお得ですか?
- 一概には言えません。20年勤続で比べると、支給額は中退共(掛金月額1万円)の2,666,600円が建退共の1,933,479円を上回りますが、事業者が払う掛金も約79万円多くかかります。掛金に対する上乗せの割合では建退共のほうが高くなります。建退共は転職しても積み立て日数が引き継がれる点が特徴で、建設業では「現場技能者は建退共、事務職員は中退共」という使い分けが一般的です。
- 証紙の購入費は経費として計上できますか?
- はい、全額を損金(費用)として計上できます。法人税率25%の場合、支出額の25%が節税効果になります。社内に退職金引当金を積み立てる方法と異なり、支出時点で費用処理が確定するため、決算の見通しが立てやすいメリットもあります。
- 転職した場合、積み立て日数はどうなりますか?
- 次の勤務先も建退共に加入していれば、積み立て日数は同じ被共済者手帳に引き継がれます(通算制度)。加入していない会社に移った期間は積み上がりません。手帳を2冊以上持っている場合は、合算の手続きが別に必要です。建設業を離れたときに退職金を請求できます。
- 途中で退職した場合の退職金はどうなりますか?
- 積み立て日数に応じた退職金が支給されます。ただし受け取りには、掛金の合計が12月(21日分を1月と換算=252日分)以上になっている必要があり、これに満たない場合は支給されません。転職先も建退共に加入していれば、日数を引き継いで積み上げを続けられます。
- 技能者が亡くなった場合はどうなりますか?
- 遺族が退職金を請求できます。請求先は建退共で、戸籍謄本等の必要書類を添えて申請します。
- 積み立て日数に上限はありますか?
- 上限はありません。建退共が公表する退職金額も40年(480月)で4,268,007円まで示されており、納付を続けるほど積み上がります。
- 建退共の加入で公共工事が受注しやすくなりますか?
- 多くの発注機関が建退共への加入を評価項目や入札参加要件に組み込んでいます。未加入の場合は入札で不利になったり、元請けから現場入場を拒否されるリスクがあります。公共工事を継続的に受注するためには加入を強く推奨します。