この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150プロジェクト以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。中小建設会社の設備投資・補助金活用支援も手がける。

2026年度から、省エネ住宅を新築・リフォームする際の補助金制度が大きく変わった。子育てエコホーム支援事業の後継となる「みらいエコ住宅2026事業」が3省連携で始動し、ZEH水準住宅やGX志向型住宅を手がける工務店・建設会社に新たな受注機会が生まれている。

この補助金で見逃しやすいのが「施主が直接申請できない」という仕組みです。補助金の交付申請は事前に登録した建設事業者が行い、施主にその分を還元する。つまり、登録事業者になった建設会社がこの制度の実質的な窓口となり、提案力の差が受注力の差に直結する。

この記事では、みらいエコ住宅2026事業の制度概要から、登録事業者になる手順、補助額・対象要件の詳細、2025年度との比較、申請フローまでを建設業の視点で整理します。

みらいエコ住宅2026事業とは — 制度の全体像

みらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して実施する住宅省エネ支援事業です。2024年度・2025年度に実施された「子育てエコホーム支援事業」「子育てグリーン住宅支援事業」「住宅省エネキャンペーン」の後継事業として2026年度に新設された。

正式名称は「みらいエコ住宅2026事業」で、国土交通省住宅局が所管し、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)等が事務局を担当する。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、ZEH水準以上の省エネ住宅の新築と既存住宅の省エネリフォームを支援することが目的です。

2026年3月から申請受付が開始されており、対象工事の着手要件は「2025年11月28日以降」に設定されている。

住宅省エネ2026キャンペーンとの関係

みらいエコ住宅2026事業は、経済産業省・環境省主導の「住宅省エネ2026キャンペーン」の1つの柱として位置づけられている。住宅省エネ2026キャンペーンは以下の4事業で構成されており、建設会社は1つの登録で複数事業への申請が可能です。

事業名主管省庁主な対象
みらいエコ住宅2026事業国土交通省ZEH水準以上の新築・省エネリフォーム
先進的窓リノベ2026事業環境省高断熱窓・ドアへの交換
給湯省エネ2026事業経済産業省高効率給湯器(エコキュート等)の導入
賃貸集合給湯省エネ2026事業経済産業省集合住宅向け高効率給湯器

複数の補助金を1件の住宅に組み合わせることができる。省エネリフォームを手がける建設会社にとっては、複数の補助金を組み合わせて施主への還元額を最大化できる点が大きなメリットです。4事業すべてを活用した場合の最大補助額は217万円になる。

出典: みらいエコ住宅2026事業 公式サイト(国土交通省)

補助額の全体像 — 住宅種別ごとの金額

みらいエコ住宅2026事業の補助額は、住宅の種別(GX志向型・長期優良住宅・ZEH水準)と地域(寒冷地かどうか)によって異なる。2025年度と比べて新築の補助額は全体的に引き下げられており、一方でリフォームの上限が拡充された。

新築住宅の補助額

新築住宅は注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、賃貸住宅の新築が対象になる。住宅のカテゴリーごとの補助額を整理します。

住宅カテゴリー補助額(基本)補助額(1〜4地域)古家除却加算
GX志向型住宅110万円/戸125万円/戸+20万円
長期優良住宅75万円/戸80万円/戸+20万円(加算対象の場合)
ZEH水準住宅35万円/戸40万円/戸+20万円(加算対象の場合)

1〜4地域とは北海道・青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島・新潟・長野・栃木・群馬の一部など寒冷地に相当する地域区分を指す。高い断熱性能が求められる地域では加算額が設定されている。

古家除却加算は、既存建物を解体して新築する場合に適用される。上物がある土地での建て替え需要を持つ施主への提案に有効です。

リフォームの補助額

省エネリフォームの補助額は、改修前後の断熱性能の差と改修工事の組み合わせによって変わる。上限額は工事の内容次第で40〜100万円の範囲になります。

必須工事として「開口部断熱」「躯体断熱」「エコ住宅設備」の3区分から2つ以上を実施することが求められる。エコ住宅設備には高効率給湯器(エコキュート)・太陽光発電・蓄電池・節水型水栓等が含まれる。

開口部断熱(高断熱窓への交換)については、「先進的窓リノベ2026事業」と組み合わせることで補助額をさらに上積みできる。省エネリフォームは複数の補助金を重ねる戦略が重要になる。

2025年度との補助額比較

住宅カテゴリー2026年度2025年度増減
GX志向型住宅110万円160万円▲50万円
長期優良住宅75万円80万円▲5万円
ZEH水準住宅35万円60万円▲25万円
リフォーム上限100万円60万円+40万円

新築向け補助額は大幅に引き下げられた一方、リフォームの上限が60万円から100万円へと拡充されている。2026年度は「新築より既存住宅のリフォーム推進」へと政策の重点がシフトしたと読める。

予算規模の縮小に注意

2026年度の新築向け予算は1,750億円程度とされており、2025年度の2,100億円から縮小している。過去の事例では年度途中で予算が枯渇し、申請受付が終了したケースがあります。年度前半(4〜7月)に提案・申請を固める動きが受注機会を最大化するうえで重要です。

対象住宅の性能要件 — ZEH水準・GX志向型・長期優良住宅

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みらいエコ住宅2026事業で補助を受けるためには、住宅が一定の省エネ性能基準を満たす必要があります。各カテゴリーの要件を具体的に整理します。

GX志向型住宅(110万〜125万円)

GX志向型住宅は3カテゴリーのなかで最も高い省エネ性能が求められる。全世帯が対象(子育て・若者世帯に限定されない)という点で受注ターゲットが広い。

主な要件を整理します。

  • 断熱等性能等級: 6以上
  • 一次エネルギー消費量削減率: 35%以上(ZEH+相当以上)
  • HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)等の導入が必須

断熱等性能等級6は、UA値(外皮平均熱貫流率)でみると地域区分によって異なるが、例えば6地域(東京・大阪等)では0.46 W/m²K以下が求められる。一次エネルギー消費量削減率35%以上はZEH+水準に相当し、太陽光発電の組み合わせが実質的に必要になるケースが多い。

長期優良住宅(75万〜80万円)

長期優良住宅は、耐震性・省エネ性・維持管理のしやすさ等の基準を満たし、所管行政庁の認定を受けた住宅です。2026年度は子育て世帯または若者夫婦世帯(申請年度中に子が誕生または18歳未満の子を有する世帯、あるいは夫婦双方が39歳以下の世帯)が対象になります。

省エネ性能の観点では以下を満たす必要があります。

  • 断熱等性能等級: 5以上
  • 一次エネルギー消費量削減率: 20%以上(ZEH水準以上)

長期優良住宅の認定手続きが必要なため、設計段階からの計画と行政対応が求められる。対象世帯が子育て・若者夫婦世帯に限定されることは、マーケティング上のターゲット設定にそのまま活用できる。

ZEH水準住宅(35万〜40万円)

ZEH水準住宅は3カテゴリーのなかで補助額が最も小さいが、要件のハードルは相対的に低い。長期優良住宅と同様に、2026年度は子育て世帯・若者夫婦世帯のみが対象です。

  • 断熱等性能等級: 5以上
  • 一次エネルギー消費量削減率: 20%以上
  • 長期優良住宅の認定は不要

2025年の省エネ基準義務化によって、新築住宅はZEH水準に近い性能が標準となりつつある。ZEH水準住宅の補助金は「省エネ住宅を建てることで受けられる追加メリット」として施主への訴求に使える一方、GX志向型(全世帯対象・補助額大)への誘導を意識した提案構成が受注単価の向上につながる。

ZEH水準住宅の期限に注意(注文住宅)

注文住宅においてZEH水準住宅を対象とした申請は、2026年9月30日までに交付申請を完了することが必要とされている。年度後半になると予算枯渇のリスクもあるため、早期着工・早期申請の体制を整えておく。

建設業が登録事業者になる方法

みらいエコ住宅2026事業で建設会社が補助金申請の窓口となるためには、「住宅省エネ2026キャンペーン」への事業者登録が必要です。施主が直接申請することはできず、登録事業者を経由することが制度の前提になっている。

登録事業者の要件

登録事業者になるための主な要件を整理します。

  • 住宅の新築・販売、またはリフォーム工事を行う事業者であること
  • 住宅省エネポータルへの「統括アカウント」の取得
  • 各補助事業の要件を満たした上で登録申請書を提出

建設会社・工務店のほか、ハウスメーカー、リフォーム会社、建築設計事務所(施工も担う場合)が対象になる。過去の住宅省エネキャンペーン(2025年度以前)に参加していた事業者は、2026年度の要件を満たすことで継続登録が可能です。

登録手続きの流れ

1

住宅省エネポータルで統括アカウントを取得する

住宅省エネポータル(国土交通省が運営するウェブシステム)に「統括アカウント」を作成する。法人番号・代表者情報・事業所住所等を登録する。すべての手続きはウェブ上で完結する。

2

担当者アカウントを設定する

申請業務を担当するスタッフ向けに「担当者アカウント」を追加設定します。補助金申請のシステム操作を行う担当者に権限を付与する。1つの統括アカウントに複数の担当者アカウントを紐づけることができる。

3

事業者登録申請書を提出する

2026年度の登録要件を確認し、住宅省エネポータルから登録申請書を提出する。建設業許可番号(取得している場合)・施工実績・事業内容等を記載する。

4

登録完了・交付申請の準備

登録が完了すると、補助金の交付申請が可能になる。対象工事が完了したタイミングで本申請(交付申請)を行い、採択後に補助金が事業者に交付される。

2025年度の住宅省エネキャンペーンに参加していた事業者向けには、統括アカウントの情報を2026年度のシステムへ移行する手続きが用意されている(2026年3月上旬から自動移行の案内があった)。初めて参加する事業者は新規に統括アカウントを作成する必要があります。

登録事業者になるメリット

事業者登録を行った建設会社には、単なる補助金申請の代行以上のビジネス上のメリットがあります。

まず、施主への提案段階で「登録事業者として補助金を代行申請できます」というワンストップの訴求が可能になる。補助金の手続きを施主自身がやる必要がないため、競合他社と比べて検討の障壁が下がる。

次に、住宅省エネポータルを通じた複数の補助金(みらいエコ住宅2026事業・先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業)を1社でカバーできる。リフォーム1件で複数の補助金を組み合わせ、施主への還元額を最大化することが受注差別化につながる。

さらに、補助金に対応した省エネ住宅の施工実績を積むことで、今後強まる省エネ規制への対応力を社内で高めることができる。2025年4月から省エネ基準への適合義務化が始まっており、省エネ住宅の施工ノウハウは今後の受注基盤になる。

施主(施工主)への補助金還元の仕組み

みらいエコ住宅2026事業では、建設事業者が補助金の交付を受け、その分を施主に還元する仕組みになっている。施主に補助金分が直接渡るのではなく、工事代金から差し引く形で還元されるケースが一般的です。

工事費からの差引還元

最も一般的な還元方法は、工事費から補助金相当額を割り引いて請求する方式です。例えばGX志向型住宅で110万円の補助金が適用される場合、施主への請求額を110万円下げて請求し、後から建設会社が補助金を受け取る。

この方式では施主は工事着工時点で補助分が差し引かれた金額を支払えばよいため、補助金受取前に全額を負担しなくてすむ。建設会社側は補助金の入金時期を資金繰り計画に織り込んでおく必要がある(補助金の入金まで数ヶ月かかるケースが多い)。

補助金の精算タイミング

交付申請から補助金の入金までの流れは、工事完了後の実績報告・審査・確定通知・振込という手順を踏む。過去のキャンペーンの実績では、実績報告から入金まで1〜3ヶ月程度かかることが多くあります。

複数物件を同時に進める場合、補助金の入金タイミングのずれが一時的に資金繰りを圧迫することがあります。金融機関への補助金見込み額の説明や、追加融資枠の確保を検討しておくことが重要です。

2025年省エネ基準義務化との関係

2025年4月から、すべての新築住宅に対して省エネ基準への適合義務が始まった。この変化は、みらいエコ住宅2026事業の活用にとって重要な背景になる。

省エネ基準適合義務化の概要

2025年4月以降に建築確認を申請する新築住宅は、断熱等性能等級4以上(省エネ基準相当)に適合することが義務づけられた。等級4が事実上の最低基準となったことで、補助金対象のZEH水準(等級5以上)・GX志向型(等級6以上)はその上位に位置づけられる。

国土交通省の資料によると、2023年度の住宅着工においてZEH水準を満たす住宅は全体の約40%程度にとどまっており、残りの60%は省エネ基準の義務化ラインに近い水準にある。省エネ基準が底上げされた市場環境のなかで、補助金を活用したZEH水準・GX志向型住宅への誘導が建設会社の差別化戦略になる。

UA値と断熱等性能等級の早見表

建設会社の営業担当が施主に説明する際の参考として、UA値と断熱等性能等級・みらいエコ住宅2026との関係を整理します。

断熱等性能等級主なUA値(6地域: 東京・大阪等)みらいエコ住宅2026との対応
等級4(省エネ基準)0.87以下補助対象外
等級5(ZEH水準)0.60以下ZEH水準住宅・長期優良住宅に対応
等級6(ZEH+水準)0.46以下GX志向型住宅に対応
等級7(最上位)0.26以下GX志向型住宅に対応

UA値は地域区分によって基準値が異なります。寒冷地(1〜4地域)ではより厳しいUA値が求められ、補助加算額も大きくなる。設計段階で地域区分を確認し、性能要件の達成可否を設計者と早期に詰めることが重要です。

建設業における受注戦略への活用

みらいエコ住宅2026事業を「制度として知っている」だけでは受注に直結しありません。補助金を受注プロセスに組み込むことで、競合他社との提案力の差が生まれる。

初回提案での補助金訴求

施主との初回相談時に「当社は住宅省エネ2026キャンペーンの登録事業者です。省エネ住宅を建てる場合、最大125万円の補助金を活用できます」と伝えることで、補助金の窓口機能が受注の入り口になる。

施主にとって補助金の申請手続きは煩雑に見えるため、「建設会社が代行申請する」という仕組みそのものが安心感につながる。補助金対応の実績・登録証などを営業資料に組み込んでおくと説得力が増す。

性能グレード別の提案パターン

施主の予算と要望に応じた性能グレードの提案を補助金と連動させると、単価向上につながりやすい。以下のような提案パターンが効果的です。

ZEH水準住宅(35万円補助、子育て・若者世帯)から、GX志向型住宅(110万円補助、全世帯)への引き上げ提案は差額が大きく、施主の意思決定を後押ししやすい。「断熱性能を1グレード上げることで補助額が75万円増える」という具体的な金額差の説明が有効です。

リフォームの場合は、窓断熱・躯体断熱・給湯器の組み合わせで補助金を最大化できる。先進的窓リノベ2026事業(最大100万円)・給湯省エネ2026事業(最大17万円)とみらいエコ住宅2026事業(最大100万円)の3本を組み合わせると、施主への総還元額を大きく引き上げることができる。

省エネ住宅の施工体制の整備

GX志向型住宅の施工には、高断熱化工事の経験と精度が求められる。断熱材の選定・施工・気密検査(C値の測定)など、これまで取り組んでいなかった作業工程が必要になるケースがあります。

登録事業者として施工実績を積みながら、大工・職人への断熱施工の技術移転、協力業者との連携体制の整備を進めることが中長期的な競争力になる。住宅メーカーや断熱材メーカーが開催する技術研修・講習を活用することも一つの手段です。

申請から補助金受取までの具体的な流れ

1

登録事業者として申請資格を確認する

住宅省エネポータルで統括アカウントを取得し、みらいエコ住宅2026事業への登録を完了させる。すでに2025年度のキャンペーンに参加していた場合は、継続登録の手続きを行う。

2

施主に補助金の説明・適用確認

施主(施工主)が補助対象の世帯かどうかを確認します。GX志向型は全世帯対象。長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯または39歳以下の若者夫婦世帯が対象。住宅の設計が対象要件(断熱等級・一次エネ削減率)を満たすかも事前に確認します。

3

設計・仕様を対象要件に合わせる

建築設計士と連携し、断熱等性能等級・一次エネルギー消費量の計算を行う。省エネ計算は専用ソフト(外皮計算・一次エネルギー計算プログラム)を使用する。GX志向型の場合はHEMSの仕様も確定する。

4

工事着工(2025年11月28日以降)

対象工事の着手は2025年11月28日以降が要件。新築は基礎工事への着手が起点となる点に注意(旧制度は基礎工事より後の工程が起点だった)。リフォームは着工日の確認が重要。

5

交付申請(工事着工後〜完了前後)

住宅省エネポータルから交付申請を行う。申請に必要な書類は住宅の性能証明書類・設計図書・見積書・工事契約書等。新築は住宅性能評価書またはBELSの評価書が省エネ性能の証明に使われるケースが多くあります。

6

工事完了・実績報告書の提出

工事完了後に実績報告書を住宅省エネポータルから提出する。工事写真・完了確認書類・施工後の性能証明書類等を添付する。

7

審査・確定通知

事務局が実績報告書を審査し、問題がなければ確定通知が届く。実績報告から確定通知まで1〜3ヶ月程度かかるケースが多くあります。

8

補助金の受取・施主への還元完了

確定通知後、補助金が登録事業者(建設会社)の口座に振り込まれる。施主への還元は工事費からの差引方式が一般的。施主への精算説明書を作成しておくと透明性が保たれる。

工事着手要件の変更点に注意

2025年度の子育てグリーン住宅支援事業では「基礎工事より後の工程に着手」が対象要件の起点だったが、みらいエコ住宅2026事業では「基礎工事自体への着手」が起点に変更されている。この変更により、基礎工事の着工日が補助金の対象期間の起算日になる。

工事スケジュールの管理と補助金申請のタイミングをあわせて把握する体制を整えることが、複数物件を同時に進める建設会社には特に重要になる。

みらいエコ住宅2026事業と省エネ設備導入補助金の違い

同じ「省エネ」に関わる補助金でも、みらいエコ住宅2026事業と省エネ設備導入補助金(省エネ・非化石転換補助金)は対象が異なります。混同しやすいため整理しておく。

項目みらいエコ住宅2026事業省エネ・非化石転換補助金
主管省庁国土交通省(住宅局)経済産業省・資源エネルギー庁
補助対象施主が建てる・リフォームする住宅自社の事業所・工場の設備
申請者登録事業者(建設会社)が代行申請建設会社自身が申請
主な対象工事住宅の新築・省エネリフォーム空調・照明・変圧器等の更新
補助額35万〜125万円/戸1/3〜2/3の補助率・上限あり

みらいエコ住宅2026事業は「施主の住宅」に対する補助金であり、建設会社は代行申請の窓口として機能する。一方、省エネ・非化石転換補助金は建設会社自身の「自社設備」を省エネ化する際に使う補助金です。両者はまったく別の制度であり、建設会社の立場は正反対になる点に注意してほしい。

戸建て住宅を手がける建設会社にとっては、みらいエコ住宅2026事業が受注差別化に直結する補助金、省エネ・非化石転換補助金は自社のコスト削減に使う補助金として区別して活用することが効果的です。

受注を増やすための訴求ポイント整理

みらいエコ住宅2026事業を活用した受注増のために、建設会社が対外的に発信すべきポイントを整理します。

施主(施工主)向け訴求ポイント

  • 登録事業者として補助金の申請を代行するため、施主側の手続き負担がない
  • GX志向型住宅であれば世帯要件なしで最大125万円の補助が受けられる
  • 先進的窓リノベ・給湯省エネとの組み合わせで補助額を最大化できる
  • 2026年度は予算に上限があり、年度後半は申請が終了する可能性がある(早期判断を促す)
  • 省エネ住宅は光熱費削減効果があり、長期的な居住コストの低減につながる

ウェブ・チラシでの見せ方

施主向けの資料やウェブページには「最大125万円の補助が受けられます(GX志向型住宅の場合。1〜4地域)」という数値の明示が有効です。補助額の一覧表を掲載し、自社が対応している住宅カテゴリーを明記する。

「登録事業者として補助金の申請を代行します」というメッセージは、競合他社との差別化訴求として機能する。登録事業者登録証の番号や取得日を公式サイトに掲載しておくと信頼性が高まる。

補助金訴求の注意点

補助金の金額を前面に出す際は、対象世帯の要件(長期優良住宅・ZEH水準は子育て・若者世帯限定)を必ず明示する。要件を満たさない施主が「もらえると思っていた」というトラブルを防ぐためです。GX志向型住宅であれば全世帯対象のため、訴求ターゲットが最も広い。

また補助金額は確定しておらず、予算枯渇により申請受付が終了するリスクがある点も施主に説明しておくことが重要です。「申請できるとは限らない」という情報開示が、後々の信頼につながる。

補助金活用を社内体制として整える

単発の受注機会として補助金を扱うのではなく、社内の申請・管理体制を整備することで継続的な競争力になる。

補助金担当者の配置

登録事業者として複数物件の申請を同時に進める場合、住宅省エネポータルでの申請作業・書類管理・入金管理を担当するスタッフの配置が必要になる。営業担当が受注から引き渡しまで一人で対応するのは負担が大きく、申請漏れや書類不備のリスクが高まる。

申請担当者(事務・管理部門)と営業担当の連携フローを明文化し、「どの時点で何の書類を準備するか」を物件ごとに管理するチェックシートを作成しておくと実務がスムーズになる。

施主向け説明資料の整備

補助金制度は毎年変わるため、施主に渡す説明資料は年度ごとに更新する必要があります。2026年度版の補助額・対象要件・申請フローをまとめた1枚物の資料を用意しておくと、初回相談から契約まで一貫した説明ができる。

施主が「補助金を使うと手続きが大変そう」というイメージを持っていることが多いため、「当社が代行するので施主側の手続きは最小限です」という点を図解で示すと安心感につながる。

年度ごとの制度アップデート対応

住宅省エネ補助金は毎年制度が改定される。2024年度(子育てエコホーム支援事業)→ 2025年度(子育てグリーン住宅支援事業)→ 2026年度(みらいエコ住宅2026事業)と名称・補助額・対象要件が変化してきた。制度の更新情報を国土交通省・SIIのウェブサイトで定期的に確認し、営業資料と社内ルールを都度アップデートする体制が必要です。

毎年秋頃に翌年度の制度概要が公表されることが多いため、10〜11月を目途に次年度対応の準備を始めることが望ましい。

よくある質問

よくある質問

みらいエコ住宅2026事業は工務店も対象になりますか?
対象になります。大手ハウスメーカーだけでなく、地域の工務店・中小建設会社も登録事業者として参加できます。住宅省エネポータルで統括アカウントを取得し、事業者登録を行えば補助金の交付申請代行が可能です。
施主が補助金を直接申請することはできますか?
できません。みらいエコ住宅2026事業の補助金申請は、住宅省エネ2026キャンペーンの登録事業者(建設会社・工務店等)が代行して行います。施主は登録事業者と工事契約を結び、補助金相当額が工事費から差し引かれる形で還元を受けます。
GX志向型住宅はどの世帯でも申請できますか?
はい。GX志向型住宅は子育て世帯や若者世帯に限らず、すべての世帯が対象です。長期優良住宅・ZEH水準住宅の2カテゴリーは子育て世帯(18歳未満の子を有する)または若者夫婦世帯(夫婦双方が39歳以下)のみが対象になります。
ZEH水準を達成するための具体的な仕様は何ですか?
断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量削減率20%以上が基本要件です。例えば6地域(東京・大阪等)では外皮平均熱貫流率(UA値)0.60以下が等級5の目安になります。高性能断熱材の採用・高効率給湯器・窓の高断熱化を組み合わせることで達成できるケースが多いです。詳しくは省エネ計算プログラムで確認してください。
みらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業は同時に使えますか?
同一の住宅に組み合わせて使うことができます。住宅省エネ2026キャンペーンは4つの補助事業で構成されており、ワンストップ申請で複数事業を同時に申請できます。省エネリフォームで開口部断熱(窓交換)を含む場合、みらいエコ住宅2026事業の補助に加えて先進的窓リノベ2026事業(最大100万円)も活用できます。
2025年度のキャンペーンとの工事着工日の扱いはどうなりますか?
みらいエコ住宅2026事業の対象工事は2025年11月28日以降の着工が要件です。このため2025年度の子育てエコホーム支援事業から移行する形で対象工事が連続しており、年度をまたいで着工した物件も2026年度の制度で申請できるケースがあります。個々の着工日と制度の詳細についてはコールセンター(0570-081-7890)に確認することを推奨します。
補助金の申請受付はいつ終わりますか?
予算が枯渇した時点で受付終了になります。2026年度の新築向け予算は1,750億円程度と想定されており、過去の類似制度では年度後半(9〜10月頃)に受付終了になったケースがあります。確実に申請するために、年度前半(4〜6月)を目途に提案・申請を固めることが重要です。
リフォームで補助額を最大化するにはどうすればいいですか?
みらいエコ住宅2026事業(最大100万円)・先進的窓リノベ2026事業(最大100万円)・給湯省エネ2026事業(最大17万円)の3事業を組み合わせることで最大217万円の補助が可能です。みらいエコ住宅2026事業では躯体断熱と窓断熱の両方を必須工事として対象とするため、開口部断熱工事を含む場合は特に組み合わせ効果が大きくなります。

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参考情報

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