この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150プロジェクト以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金計画書の作成支援も手がける。

職人として20年間、鉄筋を組み続けてきた技能者が、若手と同じ日当で現場に立つ。資格を取っても、経験を積んでも、それが賃金に反映されません。建設業の人手不足の根底には、技能の見えない化という構造問題があります。

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、この「技能の見えない化」を解消するために国が整備したデジタルインフラです。ICカードと就業履歴のデータを組み合わせ、経験・資格・評価を客観的に記録する。そして国はこの仕組みを積極的に使った中小建設事業主に対して、技能者1人あたり16万円・年間最大160万円の助成金を支給している。

人材確保等支援助成金「CCUS等活用促進コース」がそれです。制度の要件・申請の流れ・申請時の注意点を、2026年度の最新情報をもとに具体的に解説します。

出典: 建設事業主等に対する助成金 — 厚生労働省

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは何か

建設キャリアアップシステムは、国土交通省と建設業振興基金が運営するデジタル基盤です。技能者はICカード(CCUSカード)を発行してもらい、現場に設置されたカードリーダーにかざすことで就業履歴が蓄積される。蓄積されたデータは、資格・経験・評価と紐づいてクラウド上で管理される。

2025年5月末時点で、登録技能者は約166万人、登録事業者は約29万者に達している。建設業全体の就業者数が約483万人であることを考えると、まだ普及率は3分の1程度だが、2024年7月に公表された「CCUS利用拡大に向けた3カ年計画」のもと、登録数は急速に伸びている。

出典: 建設キャリアアップシステムの利用状況(2026年1月末) — 国土交通省

技能者登録の2種類

CCUSへの技能者登録には「簡略型」と「詳細型」の2種類があります。

  • 簡略型 — 基本情報のみ。登録費用は2,500円
  • 詳細型 — 資格・健康診断情報を含む。登録費用は4,900円

後述する助成金を受給するには、雇用する技能者全員を「詳細型」で登録する必要があります。この点を見落としているケースが多いため注意が必要です。

なぜ今、CCUSに取り組むべきか

CCUSへの対応を後回しにするリスクが、ここ数年で急速に高まっている。

国土交通省直轄工事では、CCUSの活用が入札要件に組み込まれ始めている。2022年に公共工事入札契約適正化指針が改正され、経営事項審査(経審)ではCCUSのレベル判定取得者や現場登録実績が加点項目に追加された。都道府県・政令市レベルでも46都道府県が導入を表明しており、公共工事の受注条件としてCCUSが事実上必須になる流れは加速している。

登録が済んでいない状態で入札や見積もりに臨む場面が増えれば、受注機会を失うだけでなく、取引先の元請からの信頼にも影響する。助成金を活用しながら早期に対応した企業が、最終的に有利なポジションを取ることになる。

人材確保等支援助成金「CCUS等活用促進コース」の全体像

この助成金は厚生労働省が所管する「人材確保等支援助成金」の一コースとして位置付けられている。建設業に特化した制度であり、建設事業主が雇用する技能者のCCUS登録とレベルアップを促進することを目的とする。

令和7年度(2025年4月以降)からは名称が「CCUS等活用促進コース」に整理され、新たに「雇用管理改善促進事業」が支援対象に加わった。また、2024年度までは建設事業主団体を主な対象としていた部分が、中小建設事業主への直接助成に重点を移している点が大きな変更です。

助成の対象者

  • 中小建設事業主(雇用保険の適用事業主であること)
  • 建設事業主団体(規模要件あり。全国・都道府県・地域の各レベルで構成員数・常時雇用労働者数の条件が異なる)

中小建設会社が直接申請できる仕組みになっており、社会保険労務士や行政書士を通さずに自社で申請することも制度上は可能です。ただし書類作成の手間を考えると、専門家に依頼する事業主が多くあります。

助成金額

中小建設事業主が受け取れる助成金の計算式は明快です。

レベルアップした技能者の人数 × 16万円 = 助成額

1事業年度あたりの上限は160万円(16万円 × 10人)となっています。つまり、1年間に10人の技能者がレベルアップして賃金改定を実施すれば、満額を受け取れる計算です。

建設事業主団体の場合は、支給対象経費の3分の2(中小建設事業主団体)または2分の1(その他の団体)が助成され、上限は3,000万円と大きく異なる。

CCUSの能力評価制度とレベルの仕組み

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助成金を受給するには、技能者がCCUSの「能力評価制度(レベル判定)」でレベルアップすることが条件になる。この仕組みを理解していないと、そもそも何をすればいいかわかりません。

CCUSの能力評価制度は、建設技能者を4段階に分類する。

  • レベル1 — 初級技能者(白カード)。CCUSに登録したばかりの段階
  • レベル2 — 中堅技能者(青カード)。一定の現場経験・資格を保有
  • レベル3 — 職長級(銀カード)。現場の中核を担う職長・班長クラス
  • レベル4 — マネジメント能力保有者(金カード)。登録基幹技能者、施工管理技士資格者など

職種ごとに評価基準が定められており、35職種以上でレベル判定を受けることができる。判定には保有資格・就業日数・現場履歴が参照される。つまりCCUSカードで就業履歴を蓄積し続けることが、そのままレベルアップへの準備になる。

賃金との連動が助成金の核心

助成金を受け取るには、レベルが上がった技能者の賃金を5%以上増加させることが必要です。賃金は、レベル改定前の12か月間と改定後の12か月間を比較して判定される。

大手ゼネコンの中にはすでに、CCUSのレベルに連動した賃金手当(レベル4で3,500円/日、レベル3で3,000円/日など)を設けているところもあります。こうした賃金連動の仕組みを社内に導入することが、助成金の受給条件を満たすと同時に、技能者の定着率向上にも直結する。

申請の流れ — 5つのステップ

申請は大まかに「事前準備 → 計画届の提出 → 実行 → 支給申請」という流れをたどる。段階を順番に説明します。

ステップ1: 事業者・技能者のCCUS登録

まず、会社自身が事業者としてCCUSに登録する必要があります。次に、雇用するすべての技能者を「詳細型」で登録する。詳細型登録には本人の身分証・資格証明書などが必要で、登録費用は技能者1人につき4,900円です。

この段階が整っていないと、以降のステップに進めません。既存の技能者が簡略型で登録されている場合は、詳細型への変更手続きを先に済ませること。

ステップ2: 計画届の提出

計画届は「賃金増額改定日の属する月の初日から数えて、6か月前から2か月前の前日まで」に管轄の都道府県労働局に提出しなければなりません。

計画届を提出する前に賃金改定を実施してしまうと、その費用はすべて助成対象外になる。順番を間違えると受給できなくなるため、スケジュール管理が特に重要です。

ステップ3: レベル判定の実施

技能者が能力評価制度のレベル判定を受け、現在のレベルから1段階以上上のレベルに昇格評定を受ける。判定は職種ごとの登録機関(業界団体等)に申請する。

2025年3月からは、CCUSへの新規技能者登録と同時に能力評価の申請ができるワンストップ手続きが開始された。新たに登録する技能者については、この制度を活用すると効率的です。

ステップ4: 賃金の改定と記録

レベルアップした技能者の賃金を5%以上増加させる。改定の前後12か月間、賃金台帳・出勤簿・給与明細書を整備して保管しておく必要があります。賃金比較は月次または日給換算で行われる。

ステップ5: 支給申請

賃金改定後の12か月間が経過した後、2か月以内に支給申請書と証拠書類を労働局に提出する。提出期限を過ぎると申請自体が受理されなくなるため、期限管理のカレンダーを設定しておくことを強く勧める。

主な添付書類を整理します。

  • CCUSの事業者登録・技能者登録の証明書類
  • レベル判定の結果通知書(昇格評定の確認用)
  • 賃金台帳・出勤簿(改定前後各12か月分)
  • 賃金改定の事実を確認できる就業規則または雇用契約書の写し
  • 計画届の受理通知書の写し

対象技能者の要件を正確に理解する

助成対象となる技能者には、以下の要件があります。

  • 詳細型でCCUS技能者登録が完了していること
  • 申請事業主に雇用されている労働者であること(一人親方は対象外)
  • レベル判定で1段階以上の昇格評定を受けたこと
  • 賃金が改定前の12か月比で5%以上増加したこと

「一人親方は対象外」という点は見落とされやすい。助成金を受け取るには雇用保険の被保険者であることが前提になるため、外注や請負で仕事を頼んでいる職人ではなく、直接雇用している技能者が対象です。一人親方の正社員化を進めようとしている段階では、キャリアアップ助成金(正規雇用転換コース)の活用を先に検討するといい。

また、技能者全員を詳細型で登録することが要件になっている。「申請したい技能者だけ登録」では不可であり、未登録者が1人でもいると要件を満たさありません。規模の大きな事業主ほど、この要件のハードルが高くなる。

他の人材確保等支援助成金コースとの使い分け

人材確保等支援助成金には、CCUS活用促進コース以外にも複数のコースがあります。目的が似ていても対象が異なるため、状況に応じて使い分けが必要です。

雇用管理制度・雇用環境整備助成コース

評価・処遇制度の整備、研修制度の導入、健康診断の実施などを行った場合に助成される。建設業に限らず幅広い業種が対象で、CCUS等活用促進コースと目的が一部重なる。CCUSを活用していない事業主が処遇改善に取り組む場合はこちらが選択肢になる。

若年・女性建設労働者トライアルコース

建設業への就職を希望する若年者・女性を試行的に雇い入れる事業主に助成される。採用段階での支援という点で、CCUS等活用促進コース(在職中の技能者の処遇改善が目的)とは位置づけが異なります。

働き方改革への助成との組み合わせ

国の助成金は原則として重複受給が禁じられているが、目的・対象・実施時期が異なれば複数の助成金を同時期に受給できる場合があります。たとえば働き方改革推進支援助成金で時間外労働削減の取り組みを行いながら、同じ技能者のレベルアップを通じてCCUS活用促進コースを申請することは制度上可能です。重複要件の詳細は申請前に管轄労働局で確認することを勧める。

公共工事でのCCUS活用義務化の動向

建設業界でCCUS対応が急務になっている最大の理由のひとつが、公共工事における制度的なプレッシャーです。

2022年の「公共工事入札契約適正化指針」改正により、国の発注機関はCCUSを活用する事業主に対してインセンティブを付与する方向性を明確にした。具体的には以下の措置が各発注者レベルで広がっている。

  • 経営事項審査(経審)での加点 — CCUSレベル判定取得者数・現場登録実績がW点(その他の審査項目)で評価される
  • 総合評価落札方式での加点 — 元請事業者がCCUS現場登録を実施しているかどうかが評価項目に
  • モデル工事の実施 — 国交省直轄工事でCCUSの活用を要件とするモデル工事が拡大中

都道府県レベルでは46都道府県、政令市では全20団体がCCUS活用のインセンティブ導入を表明している。「いまは任意」とはいえ、入札評価で加点される現実がある以上、CCUS未対応は受注競争の不利に直結する。

経審の加点を活用して評点を上げ、受注拡大につなげている中小建設会社の事例も出始めている。CCUSへの登録と就業履歴の蓄積は、助成金受給とは別に、受注力の強化という側面からも検討に値する投資です。

出典: 公共工事におけるインセンティブ措置 — 国土交通省

技能者の育成・定着に与える効果

CCUS活用促進コースの助成金は、単なる補助金ではありません。この制度を活用して処遇改善に取り組んだ会社が得るのは、技能者の「見える化」と「定着」という実質的な経営効果です。

就業履歴が客観データとして蓄積されることで、「この技能者は実際に何日現場を経験しているか」「どの資格を持っていて、どの職種でどのレベルの評価を受けているか」が社内で共有できるようになる。属人的だった技能者の評価が数値とデータで補完される。

賃金がレベルと連動する仕組みを整えると、「技術を身につければ収入が上がる」という見通しが立つ。この見通しが若手の定着率を押し上げる効果を持っています。国土交通省が実施した調査でも、CCUSを活用している現場では技能者の継続雇用意向が高いとの傾向が確認されている。

採用コストと離職コストを考えれば、技能者1人あたりの育成投資を助成金で回収しながら定着率を改善できることは、中小建設会社にとって大きな意味を持っています。社員が長く働き続ける会社づくりのための制度設計として、CCUSとこの助成金を組み合わせることを検討したい。

建設技能者の年収と処遇改善の実態

厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2024年)」によると、建設・採掘従事者の平均年収は男性で約470万円、全産業平均(約500万円)をわずかに下回る水準です。一方で、技能や経験を持つベテラン技能者が若年者と同じ日当のまま働いているケースは少なくありません。これが若手の定着を阻む大きな要因のひとつになっている。

CCUSのレベル判定を賃金体系に組み込んだ会社では、「入社から5年でレベル2に上がれば月3〜5万円の賃金アップが見える」という状態を作り出せる。入口と出口が見える賃金設計は、採用時の差別化にも使えるし、在職中の技能者のモチベーション維持にも機能する。

出典: 賃金構造基本統計調査(令和6年) — 厚生労働省

CCUS導入を始める前に確認すべき3つのポイント

助成金申請のスタートラインに立つ前に、社内で確認しておくべき項目があります。準備が不十分なまま登録を進めると、後から手戻りが発生して時間とコストが余計にかかる。

1. 現在の雇用形態の整理

雇用保険に加入していない技能者(日雇い・不定期な請負)は助成の対象になりません。まず在籍する技能者全員の雇用形態を洗い出し、雇用保険の被保険者かどうかを確認します。未加入者がいれば、社会保険労務士と相談して雇用形態の見直しを先に行う必要があります。

建設業では、常用雇用と一人親方を混在させている会社が多くあります。助成金の対象は「直接雇用している技能者」だけだと理解した上で、どの範囲でCCUSを活用するかを事業主として先に決める作業が必要です。

2. 職種と能力評価制度の対応確認

CCUSの能力評価制度(レベル判定)は、すべての職種で利用できるわけではありません。2026年4月時点で評価制度が整備されているのは、型枠工・鉄筋工・とび工・左官・電気工事・配管工・塗装工など主要職種を含む35職種以上ですが、自社の技能者が従事する職種が評価対象に含まれているか確認が必要です。

対象外の職種しか扱っていない場合は、「CCUS活用促進コース」の助成金は受給できない可能性があります。CCUSの公式サイトで職種別の評価制度の有無を事前に調べておくことを勧める。

3. 現場へのカードリーダー設置計画

CCUSカードで就業履歴を蓄積するには、現場にカードリーダーを設置する必要があります。1現場につき1台が基本で、工事ごとに設置・撤去を繰り返す運用になる。

カードリーダーの機種やクラウドとの連携方式はいくつかの選択肢があり、月額サービス型と買い切り型があります。現場数が多い会社ほど初期費用と月額費用の合計が大きくなるため、台数・運用コストの見積もりを先に出すことが大切です。

就業履歴の蓄積が不十分だと、レベル判定の申請時に必要な就業日数を満たせません。カードリーダーを設置して実際にカードタッチが始まるまでに、少なくとも半年以上の蓄積期間を見込んでおく必要があります。

よくある申請ミスと注意点

実際の申請現場でよくある失敗を8点まとめる。いずれも事前に把握しておけば回避できるミスです。

1. 計画届より先に賃金改定を実施してしまった

最も多いミスがこれです。助成金はすべて「計画届の提出 → 実行 → 支給申請」という順番が原則で、計画届の受理前に行った取り組みは助成対象外になる。カレンダーに「計画届提出期限」を設定し、確実に先に出すこと。

2. 技能者を詳細型で登録していなかった

簡略型では就業履歴の記録はできるが、能力評価(レベル判定)には対応していありません。詳細型への変更は時間がかかる場合もあるため、CCUSへの登録を始める段階から詳細型を選択することを推奨する。

3. 一部の技能者が未登録のまま申請した

全員の詳細型登録が要件になっている。「経験の浅い若手は後で登録しようと思っていた」「高齢で現場が少ない社員は省いた」といったケースで不支給になる。登録漏れがないか、事業者画面から確認する習慣をつけること。

4. 賃金比較の期間を誤った

「5%以上の増加」の判定は、賃金改定前12か月と改定後12か月の比較で行われる。月によって残業代が大きく変動する場合、平均賃金の計算が複雑になる。社会保険労務士に確認しながら計算するのが安全です。

5. 支給申請の期限を過ぎた

賃金改定後の12か月が経過した翌日から数えて2か月以内が申請期限です。期限を1日でも過ぎると受付されません。労働局への提出は郵送でも可能だが、消印ではなく「受付日」が基準になる場合もあるため確認が必要です。

6. 雇用保険・社会保険に未加入の労働者がいた

助成金の受給には、雇用保険法・社会保険法の遵守が前提条件になる。技能者が雇用保険の被保険者になっていない場合や、会社側の社会保険料に滞納がある場合は支給されません。

7. CCUSカードの読み取り実績が不十分だった

就業履歴の蓄積がレベル判定の前提になる。現場にカードリーダーを設置せずに就業履歴がゼロのままだと、レベル判定を受けること自体できません。登録後は必ず現場でのカードタッチを習慣化させること。

8. 申請書類の記載内容が事実と異なった

助成金の不正受給への調査は厳格化している。計画届・賃金台帳・雇用契約書の内容に矛盾があれば、不支給にとどまらず返還命令・追加徴収の対象になる場合もあります。記載内容は実態と一致させること。

登録費用と助成金の収支シミュレーション

CCUS導入にはコストがかかる。助成金を受け取るまでの間に必要な費用を試算しておかないと、「こんなにかかるとは思わなかった」という事態になる。ここでは、技能者10人規模の中小建設会社を例に、おおまかな収支をシミュレーションする。

初期費用(登録関連)

  • 事業者登録料 — 規模に応じて6,000〜240万円(資本金と従業員数で決まる)。資本金500万円・従業員10人の場合は約6万円
  • 技能者詳細型登録料 — 4,900円 × 10人 = 49,000円
  • カードリーダー設置費 — 機器本体1台2〜5万円程度(現場数に応じて変動)
  • 社内手続き費用 — 社労士や行政書士への依頼報酬。能力評価の申請代行も含めると1人あたり5,000〜2万円程度

10人規模で、CCUS登録・能力評価手続き・カードリーダー設置まで含めると、初期費用はおおよそ30〜60万円の範囲に収まることが多くあります。

助成金による回収

10人全員がレベル1→2に昇格評定を受け、賃金改定を実施した場合の助成額を整理します。

16万円 × 10人 = 160万円(1事業年度の上限額)

初期費用を差し引いた手取りは100〜130万円程度となる計算です。翌年度以降も別の技能者がレベルアップすれば、継続して受給できる。レベル1→2の後にレベル2→3へと昇格すれば、同じ技能者でも再び助成対象になる。

実際の賃金増加分(5%以上)はランニングコストとして毎月発生するが、技能者の定着率が上がれば採用コスト・育成コストの削減につながる。数年単位でみると投資対効果は十分に成立する。

申請を社労士に依頼するコスト感

計画届の作成から支給申請まで一貫して社労士に依頼する場合、相場は着手金5〜10万円+成功報酬(支給額の5〜10%前後)であることが多くあります。10人分の助成金が160万円であれば成功報酬は8〜16万円の範囲です。

初めて申請する会社は書類の作成ミス・期限違反のリスクがあるため、最初の1回は専門家に依頼し、次回以降は社内で対応するという流れが現実的です。

助成金ポータルと申請窓口

申請は「助成金ポータル(CCUS活用促進コース)」からオンラインで行うか、管轄の都道府県労働局の窓口に書類を持参・郵送する。

  • 計画届・支給申請書の様式は厚生労働省の公式ページからダウンロードできる
  • 申請前の事前相談は各都道府県のハローワーク・労働局で受け付けている
  • 申請後の進捗確認・照会も同窓口が担当する

社会保険労務士に代行申請を依頼することも可能で、建設業に詳しい社労士であれば計画届から支給申請まで一貫してサポートしてもらえる。報酬は着手金+成功報酬型が多く、初めて申請する事業主は専門家の活用を検討する価値があります。

なお、助成金が支給決定されても、書類の保管義務は支給決定日から5年間続く。賃金台帳・出勤簿・雇用契約書は廃棄せず、5年間は必ず手元に保管しておくこと。調査が入った場合に書類が存在しないと、不正受給とみなされるリスクがあります。

支給後も毎年度の要件を満たせば継続して助成を受けられる。制度の継続性については年度ごとに確認が必要で、令和7年度時点では2027年3月末まで適用が延長されているが、以降の見通しは厚生労働省の公表を待つ必要があります。

CCUSに関連した助成金・補助金の最新情報は、補助金・助成金ポータル一覧でも随時更新している。制度は年度ごとに要件が変わることがあるため、申請前に厚生労働省または管轄労働局で最新版を必ず確認してほしい。

人材開発支援助成金との組み合わせ

レベルアップを目指す技能者が資格取得のための教育訓練を受ける場合、「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」との組み合わせも検討できる。技能検定や登録基幹技能者の講習費用が助成対象になる可能性があり、レベル判定に必要な資格取得コストを圧縮できる。

ただし助成金の重複適用には制限があるため、同一の訓練を複数の助成金で賄おうとすると要件を満たせない場合があります。CCUS活用促進コースと組み合わせる際は、対象経費が重複しないよう事前に社労士に確認することを勧める。

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よくある質問

CCUS活用促進コースの助成金はいくらもらえますか?
レベルアップして賃金を5%以上増加させた技能者1人あたり16万円が支給されます。1事業年度の上限は160万円(10人分)です。中小建設事業主が対象で、建設事業主団体は別の助成率・上限が適用されます。
一人親方でも受給できますか?
一人親方は対象外です。助成対象は雇用保険の被保険者として直接雇用している技能者に限られます。一人親方を正社員化してCCUSに登録した後に要件を満たせば、助成の対象になります。
CCUSへの登録から申請まで、どのくらい時間がかかりますか?
事業者・技能者のCCUS登録から、レベル判定・賃金改定・支給申請まで、おおよそ2〜3年のスパンが必要です。計画届の提出期限、賃金比較の12か月間、支給申請の期限を順番に押さえることが重要です。
技能者の一部だけ登録していても申請できますか?
できません。雇用する全ての技能者を詳細型で登録することが要件です。未登録の技能者が1人でもいると支給要件を満たさないため、計画届を提出する前に全員の登録状況を確認してください。
計画届はいつまでに出せばいいですか?
賃金増額改定日の属する月の初日から6か月前から2か月前の前日までが提出期限です。計画届の受理前に賃金改定を実施した場合は対象外になるため、必ず実施前に提出してください。
他の助成金と併用できますか?
同一の取り組みを対象に複数の助成金を受給することはできません。ただし目的・対象・実施時期が異なる助成金(たとえば働き方改革推進支援助成金)との組み合わせは可能な場合があります。詳細は管轄の都道府県労働局に確認してください。

参考情報


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