この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150プロジェクト以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金・助成金の活用支援も手がける。

「BIM研修を受けさせたいが費用が高い」「ドローン操縦士の資格取得を支援したいが、助成金の仕組みがわからない」。中小建設会社の経営者からこうした声を聞く機会が増えている。人材開発支援助成金は、こうした技能習得・スキルアップの費用を国が直接補助する制度です。

2024年度の実績では、建設業関連の訓練に対して全国で数万件単位の支給が行われており、中小建設事業主が受け取れる経費助成率は最大75%に達するケースもあります。つまり、100万円の研修を実施しても自己負担は25万円に抑えられる計算です。

この記事では、建設業で活用できるコースの構造を整理し、BIM研修・ドローン資格・CCUS関連研修の具体的な費用試算、申請スケジュールの組み方まで順を追って解説します。

出典: 人材開発支援助成金 — 厚生労働省

人材開発支援助成金とは — 補助金との根本的な違い

人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に対して職務関連の知識・技能を習得させる訓練を実施した場合に、その経費や訓練中の賃金の一部を助成する制度です。厚生労働省が管轄し、各都道府県の労働局が窓口になる。

補助金(IT導入補助金・ものづくり補助金など)と根本的に異なる点は、「審査による競争がない」ことです。雇用保険を財源とするため、要件を満たして適切に申請すれば原則として支給される。採択枠の上限を争う必要がなく、書類の正確性と要件の充足が勝負のすべてになる。

建設業で活用が進む背景

国土交通省は2023年度から公共工事へのBIM/CIM原則活用を本格展開しており、2024年度には受発注者双方の対応が求められる範囲が大幅に広がった。現場にICTを導入しても、操作できる人材がいなければ宝の持ち腐れになる。人材育成の費用を助成金で賄う動きが、特に従業員50人未満の中小建設会社を中心に広がっている。

また、2024年4月に施行された時間外労働上限規制(いわゆる「2024年問題」)の影響で、少ない人員で施工管理を回さなければならない現場が増えた。施工管理のデジタル化に必要なITスキルを従業員に身につけさせるための研修費用を、助成金で補填する事業者が増加傾向にあります。

助成金受給の大前提 — 雇用保険への加入

人材開発支援助成金を受給するためには、訓練対象者が雇用保険の被保険者であることが必須条件です。雇用保険は週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば加入義務が生じる。一人親方や個人事業主として業務を委託している技能者は、原則として対象外になる。

また、事業主自身が労働保険料(雇用保険料・労災保険料)を滞納していると申請できません。残業代の未払いが発覚した場合も不支給となるため、労務環境の整備が助成金受給の前提条件になる。

受給要件チェック内容
雇用保険訓練対象者が被保険者であること
労働保険料未納・滞納がないこと
賃金法定の最低賃金・割増賃金を支払っていること
計画届訓練開始の1ヶ月前(コースにより3ヶ月前)までに提出していること
訓練時間原則10時間以上のOff-JT

建設業が選べる主要3コースの全体像

人材開発支援助成金は複数のコースで構成されているが、建設業で特に活用しやすいコースは3つに絞られる。それぞれ対象訓練・助成率・助成額が異なるため、自社の訓練内容に応じた選択が必要です。

コース対象経費助成率(中小)賃金助成
建設労働者技能実習コース建設業固有の法定講習・特別教育45〜75%7,600〜8,550円/日
人材育成支援コース職務関連の一般的なOff-JT(10時間以上)45〜75%800〜1,000円/時
事業展開等リスキリング支援コースDX・グリーン化対応の新分野訓練75%(大企業60%)960〜1,000円/時

※中小企業の基準。賃上げ要件達成や訓練対象者の属性により加算あり。大企業は各コースで助成率が低くなる。

建設労働者技能実習コース — 建設業専用の最優先窓口

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建設業に特化した人材開発支援助成金のコースが、この「建設労働者技能実習コース」です。玉掛け・足場組立・フルハーネス型安全帯など、法令で義務付けられた技能講習や特別教育の受講費用と賃金を助成する。建設業振興基金が管理・運営の中核を担い、建設業法に基づく許可業者であれば幅広く利用できる。

対象となる訓練の種類

このコースで助成対象になる主な講習を整理します。

  • 足場の組立て等作業主任者技能講習
  • 足場の組立て等特別教育
  • フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
  • 低圧電気取扱業務特別教育
  • 巻上げ機(ウインチ)運転特別教育
  • 酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育
  • 粉じん作業特別教育
  • 石綿取扱い作業従事者特別教育

登録教習機関や職業訓練法人が実施する講習が対象の中心となり、社内での独自研修は原則として含まれません。

助成率と助成額

経費助成と賃金助成の2種類が支給される。どちらも受給できるため、合算すると実質的な自己負担率はさらに低下する。

経費助成(受講料の助成)

  • 雇用保険被保険者20人以下の事業主 — 対象経費の75%(1人あたり上限10万円)
  • 雇用保険被保険者21人以上の事業主 — 35歳未満の受講者は70%、35歳以上は45%

賃金助成(研修中の賃金補填)

  • 雇用保険被保険者20人以下の事業主 — 1人1日あたり8,550円(通学制で最大20日分)
  • 雇用保険被保険者21人以上の事業主 — 1人1日あたり7,600円

なお、建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録している技能者を対象にする場合、賃金助成が加算される。20人以下の事業主では9,405円/日まで引き上げられる。

出典: 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)について — 一般財団法人中小建設業特別教育協会

申請の流れと重要なスケジュール

計画届の提出期限に注意

登録教習機関(コマツ教習所・CAT安全訓練所・クボタ建機教習所等)を利用する場合は計画届不要だが、それ以外の機関では「訓練開始日の1週間前まで」に計画届を管轄の労働局へ提出する必要があります。期限を1日でも過ぎると不支給になる。

1

受給資格の確認

管轄の労働局またはハローワークで、雇用保険・労働保険料の状況を確認します。労働保険料に未納がないことを必ず事前に確認すること。

2

訓練機関の選定と申込み

対象講習を実施する登録教習機関または職業訓練法人を選定し、受講の申込みを行う。受講料の見積りを取得しておく。

3

計画届の提出(必要な場合)

登録教習機関以外を利用する場合は、訓練開始日の1週間前までに計画届を管轄の労働局へ提出する。登録教習機関利用時はこのステップ不要。

4

訓練の実施

対象となる技能講習・特別教育を有給で受講させる。出席簿や受講証明書を必ず保管する。

5

支給申請書の提出

技能実習終了日の翌日から原則2ヶ月以内に、支給申請書と必要書類を管轄の労働局へ提出する。

6

支給決定と入金

労働局による審査を経て支給決定が出る。申請から支給まで通常2〜4ヶ月程度かかる。

費用試算例 — フルハーネス特別教育(5人受講)

従業員5人にフルハーネス型墜落制止用器具特別教育を受講させる場合の試算例です。雇用保険被保険者が20人以下の事業主を前提とする。

項目金額
受講料(1人あたり15,000円 × 5人)75,000円
経費助成(75%)△56,250円
賃金助成(8,550円/日 × 5人 × 1日)△42,750円
自己負担(実質)△23,250円(助成後の実費)

受講料75,000円に対して賃金助成も合わせると99,000円の支援を受けられる計算になり、自己負担はゼロを下回る。ただし賃金助成は実際に支払った賃金を上限とするため、計算上の数字がそのまま振り込まれるわけではない。実際の受取額は従業員の日給設定によって変わる。

人材育成支援コース — BIM・IT系研修の主力ルート

一般コースにあたる「人材育成支援コース」は、建設業専用ではなく幅広い業種で使えるコースだが、BIM研修・ドローン測量研修・施工管理ソフト研修など、技能実習コースの対象にならないIT系・専門技術系の研修はこちらが窓口になる。

対象となる訓練の要件

  • 10時間以上のOff-JT(社外研修・eラーニング等)であること
  • 訓練内容が受講者の職務に関連していること
  • 事業主が費用を負担していること(自己負担訓練は対象外)

Off-JTとは「企業の通常業務と切り離して行われる訓練」のことで、外部研修機関への委託・集合研修・オンライン講座がすべて対象になる。現場でのOJT(On-the-Job Training)はこのコースでは対象外です。

助成率と賃金助成額

経費助成(訓練費用の助成)

  • 中小企業(正社員対象) — 45%
  • 中小企業(有期契約労働者等対象) — 75%
  • 大企業(正社員対象) — 35%

賃上げ要件(前年度比で全従業員の基本給を一定率引き上げ)を達成している場合は、助成率がさらに15%上乗せされる。

賃金助成(訓練中の賃金補填)

  • 中小企業 — 800円/時間・人
  • 大企業 — 400円/時間・人

賃上げ要件達成時は中小企業で200円上乗せされ、1,000円/時間・人になる。

BIM研修費の試算例 — 3人をRevit研修に派遣する場合

施工管理担当者3人に、2日間(16時間)のRevit基礎研修を受講させる場合の試算を示す。

項目計算金額
研修受講料120,000円 × 3人360,000円
経費助成(45%)360,000円 × 45%△162,000円
賃金助成800円 × 16時間 × 3人△38,400円
実質自己負担159,600円

受講料だけで見ると自己負担は半額以下になる。さらに、賃上げ要件を達成していれば経費助成率が60%まで上がり、自己負担は約108,000円まで下がる計算です。つまり3人分のBIM研修を10万円台で実施できる。

計画届の提出が最重要

人材育成支援コースでは、訓練開始日の「6ヶ月前から1ヶ月前まで」の間に訓練実施計画届を管轄の労働局へ提出する必要があります。

「6ヶ月前から1ヶ月前まで」という期間設定がポイントで、1ヶ月を切ってからの提出は一切受け付けられません。来月から研修を始めようと思っていきなり計画届を出しても不支給になる。研修スケジュールが決まったら、計画届の提出期限を最初に計算し、それに合わせて手続きを進める順番が正しい。

「訓練開始1ヶ月前」は絶対期限

計画届の提出は訓練開始日の1ヶ月前が締め切りです。この期限を1日でも過ぎると、申請資格を失う。研修会社に申込みを済ませる前に、計画届の手続きを先行させること。

事業展開等リスキリング支援コース — 助成率75%の最強コース

DX・グリーン化(脱炭素)など新分野への事業展開に伴う人材育成を支援するコースで、2022年度から2026年度末までの期間限定設置です。経費助成率が中小企業75%と最も高く、1人あたりの助成上限は200時間未満の訓練で40万円、200時間以上では50万円に達する。

建設業では、以下のような訓練が対象になる可能性が高い。

  • BIM/CIMを活用した設計・施工管理業務への対応訓練
  • ドローン測量・点検を新規事業として展開するための操縦士資格取得
  • ICT施工機械の操作・データ活用研修
  • 建設業の脱炭素化(省エネ診断・LEED等)に関するスキル習得

「新分野展開」とは、訓練開始日から3年以内に実施予定の事業か、すでに開始から6ヶ月以内の事業を指す。単なるスキルアップではなく「新たな分野への展開」という文脈が必要になるため、事業計画との整合性を示す書類が求められる。

ドローン測量事業を立ち上げる場合の試算

現場測量の効率化を目的に、担当者2人に40時間のドローン測量操縦士養成研修を受講させる場合を試算する。

項目計算金額
研修受講料250,000円 × 2人500,000円
経費助成(75%)500,000円 × 75%△375,000円
賃金助成960円 × 40時間 × 2人△76,800円
実質自己負担48,200円

50万円の研修費用のうち、自己負担は約5万円に圧縮できる。このコースの助成率の高さが際立つ事例です。

2026年度が最終年度

事業展開等リスキリング支援コースは令和8年(2026年)度末が最終年度の見込みです。制度の継続が不確定なため、BIMやドローン関連の訓練を検討している場合は2026年度中に計画届を提出しておくことを勧める。

人材育成支援コースとの使い分け

同じDX系研修でも、どちらのコースを選ぶかで助成率が変わる。

比較項目人材育成支援コース事業展開等リスキリング支援コース
経費助成率(中小)45%(正社員)75%(一律)
新分野展開の必要性不要必要
事業展開実施計画書不要提出必須
計画届提出期限訓練開始1ヶ月前訓練開始1ヶ月前
対象期間制度継続中2026年度末まで(予定)

既存業務の延長線上にある訓練なら人材育成支援コース、新事業・新分野への展開が明確であればリスキリング支援コースが有利です。

3コースの組み合わせ戦略 — より多くの助成を引き出す方法

1つの会社が複数のコースを同時に活用することは可能です。訓練の内容・対象者・目的が異なれば、コースを分けて申請できる。以下は中小建設会社が1年間で複数コースを組み合わせた活用例です。

従業員15人の中小建設会社(被保険者20人以下)の年間活用プラン

時期コース訓練内容想定助成額
4〜5月建設労働者技能実習コースフルハーネス特別教育(5人)約10万円
7〜8月事業展開等リスキリング支援コースドローン操縦士養成(2人)約45万円
10〜11月人材育成支援コースBIM研修・Revit基礎(3人)約20万円
通年教育訓練休暇等付与コース有給教育訓練休暇制度の導入30万円(一時金)

年間合計で100万円超の助成を受け取れる計算になる。

教育訓練休暇等付与コース — 制度整備で30万円の一時金

「教育訓練休暇等付与コース」は、労働者が自発的に訓練を受けるための「有給教育訓練休暇制度」を就業規則に整備した事業主に対して、30万円の一時金を支給するコースです。訓練の実施実績ではなく「制度の導入」に対して助成されるため、先に制度だけ整備して後から活用する形でも申請できる。

建設業では正社員定着を促すために、資格取得を奨励する文化を作りたいと考える経営者も多い。この制度を整備することで、従業員が自発的にCAD・BIM・施工管理技士の学習を進めやすい環境をつくりながら、30万円の助成を受け取れる。

申請時の3大落とし穴と対処法

多くの建設会社が助成を受け損ねる理由のうち、7〜8割は申請手続きのミスによるものです。あらかじめ落とし穴を知っておくことで回避できる。

落とし穴1: 計画届の「1ヶ月前」を守れなかった

最も頻発するミスがこれです。「研修会社に申込み → 訓練開始まで2週間しかない → 計画届が間に合わない」という流れで助成を逃すケースが後を絶ちません。

対処法は「研修を探す前に計画届の手続きを確認する」順番の徹底です。訓練内容が固まったら、まず管轄の労働局に相談し、計画届のフォームを取り寄せる。計画届の受付確認が取れてから、研修機関に正式な申込みをする流れが正しい順序です。

落とし穴2: 訓練中も通常業務をこなしていた

助成金はOff-JTを対象とするため、「研修受講中も業務連絡を受けていた」「午前は研修、午後は現場」という形だと訓練時間の認定が問題になることがあります。研修期間中は業務から切り離して受講させること、出席簿や受講証明書を確実に保管することが必要です。

落とし穴3: 賃金台帳・出勤簿の整備が不十分

支給申請時には賃金台帳・出勤簿・労働保険料の納付証明などの提出が求められる。これらの書類が整備されていない、または記録が不正確だと審査が長引いたり不支給になったりする。就業規則・賃金規定・出勤管理のデジタル化(勤怠管理システムの導入)は、助成金申請の基盤として先に整備しておくことを勧める。

社会保険労務士への依頼で手続き負荷を下げる

人材開発支援助成金の申請は書類が多く、訓練計画書の作成にも一定の専門知識が必要です。社会保険労務士に申請代行を依頼することで、計画届の作成・書類管理・期限管理をまとめて委託できる。報酬は採択額の10〜15%が相場だが、申請漏れによる機会損失と比較すれば費用対効果は高い。

建設業固有の活用シーン — 4つのDXスキル習得への応用

シーン1: BIM/CIMソフトの習得(人材育成支援コース / リスキリング支援コース)

国土交通省が2023年度から公共工事のBIM/CIM原則適用を進める中、BIMを扱える技術者の育成は急務です。ArchiCAD・Revit・AVEVAなどのBIM/CIMソフト研修は、いずれも人材育成支援コースまたはリスキリング支援コースの対象になる可能性があります。

リスキリング支援コースを使う場合は、「BIM/CIMを活用した新たな施工管理サービスの提供」のような事業展開計画を添付する必要があります。BIM活用を本格的に推進する方針を持つ企業には、助成率75%のこのコースが有利です。

シーン2: ドローン操縦士資格の取得(リスキリング支援コース)

2022年12月に始まった無人航空機の国家資格制度(一等・二等無人航空機操縦士)の取得支援に、リスキリング支援コースを活用できる。建設会社が測量・点検事業に参入する文脈であれば「新分野展開」の要件を満たしやすい。

ドローンスクールの費用は2等資格取得コースで20〜40万円程度が相場です。75%の経費助成が受けられれば、実質5〜10万円で国家資格を取得させられる。

シーン3: 建設キャリアアップシステム(CCUS)関連研修(建設労働者技能実習コース)

CCUSの技能者登録・能力評価に関連する研修は、建設労働者技能実習コースの対象になる場合があります。また、CCUSに登録した技能者を対象に訓練を実施した場合、賃金助成の単価が加算される。技能実習コースとCCUS活用を連動させることで、助成額を上乗せできる可能性があります。

シーン4: IT施工管理ツールの操作研修(人材育成支援コース)

現場帳票のデジタル化(工事写真管理・工程管理・安全書類電子化)を進める際に使う各種クラウドツールの操作研修も、人材育成支援コースで対象になる。1ツールあたりの研修時間が10時間以上であることが要件となるため、ベンダーの研修カリキュラムを確認し、時間数を満たすプログラムを選定することが重要です。

申請サポートの活用 — どこに相談すればいいか

助成金の相談窓口は複数ある。内容に応じて使い分けることで、回答の精度が上がる。

相談先得意な相談内容
管轄の労働局(都道府県)計画届の書き方・要件の確認
ハローワーク雇用保険の被保険者資格の確認
社会保険労務士申請代行・書類作成・期限管理
建設業振興基金建設労働者技能実習コースの詳細
中小企業診断士・認定支援機関補助金・助成金の全体戦略設計

「どのコースを使えばいいかわからない」という状態の場合、まず管轄の労働局に電話または来庁で相談するのが最短ルートです。コースの選定から計画届の書き方まで、無料で案内してもらえる。

出典: 建設事業主等に対する助成金 — 厚生労働省

受給後にやるべきこと — 次の訓練サイクルへ

助成金の支給を受けたら、その実績を次の訓練計画に活かす。PDCA的な運用が助成金を継続的に活用するコツです。

  1. 受講した研修の効果測定 — 資格取得率・スキル習熟度・業務改善への反映を確認する
  2. 次年度の訓練計画の策定 — 今年受講した研修の応用コース・上位資格の取得計画を立てる
  3. 計画届の提出スケジュールを年初に確定 — 研修開始の2〜3ヶ月前に計画届提出の予定を社内カレンダーに登録する
  4. 新コース・制度変更の確認 — 人材開発支援助成金は毎年4月に制度改定が行われることがあります。毎年度の初めに労働局のパンフレットで最新情報を確認する

人材開発支援助成金以外にも建設業で活用できる助成金・補助金は多い。CCUS等活用促進コースによる技能者管理の助成や、建設業全体の制度を俯瞰できる補助金・助成金一覧も合わせて確認しておくと、年間の助成金戦略を組み立てやすい。

よくある質問

人材開発支援助成金は建設業でも使えますか?
使えます。建設業専用の「建設労働者技能実習コース」と「建設労働者認定訓練コース」が設けられているほか、一般コースの「人材育成支援コース」や「事業展開等リスキリング支援コース」も建設業の事業主が活用できます。BIM研修・ドローン資格取得・施工管理ソフト操作研修なども対象になります。
建設労働者技能実習コースとはどんな助成金ですか?
建設業に特化した人材開発支援助成金のコースで、足場組立・フルハーネス・低圧電気取扱など法定の技能講習や特別教育の受講費用と賃金を助成します。雇用保険被保険者20人以下の事業主は受講料の75%(1人10万円上限)と賃金助成8,550円/日を受け取れます。
BIM研修やドローン研修にも助成金は使えますか?
使えます。BIM研修(RevitやArchiCADなど)は「人材育成支援コース」(経費助成45〜75%)や「事業展開等リスキリング支援コース」(75%)の対象になります。ドローン操縦士国家資格の取得研修は、新規事業展開の文脈であればリスキリング支援コースで最大75%の助成を受けられます。
計画届はいつまでに提出すれば良いですか?
コースによって異なります。人材育成支援コースは訓練開始日の「6ヶ月前〜1ヶ月前」の間に提出が必要で、1ヶ月を切ると受付されません。建設労働者技能実習コースは登録教習機関利用時は計画届不要ですが、それ以外は1週間前まで。事業展開等リスキリング支援コースも1ヶ月前が締め切りです。
一人親方や外注先の技能者は助成対象になりますか?
なりません。人材開発支援助成金の対象は「雇用保険の被保険者」に限定されます。一人親方や業務委託で働く技能者は雇用関係がないため対象外です。正社員・契約社員・パートタイム労働者(週20時間以上・31日以上雇用)が対象となります。
複数のコースを同時に申請できますか?
できます。訓練の内容・対象者・目的が異なれば、複数のコースを同年度に並行して活用できます。例えば「技能実習コースで安全衛生講習」「リスキリング支援コースでドローン研修」を同じ年度に申請することが可能です。合計で年間100万円以上の助成を受ける事業者も存在します。

参考情報

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