この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150プロジェクト以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。中小建設会社の設備投資・補助金活用支援も手がける。

電気代の値上がりが止まりません。2024年から2025年にかけて、電力会社の値上げが相次ぎ、多くの建設会社は光熱費の増加を実感している。本社・営業所の空調電力、倉庫・資材ヤードの照明、現場事務所の暖冷房。これらを合計すると、年間の光熱費は数百万円規模になるケースも珍しくありません。

こうした状況に対して、経済産業省・資源エネルギー庁が用意しているのが「省エネ・非化石転換補助金」(旧称:省エネルギー投資促進支援事業費補助金)です。2026年3月30日から1次公募の受付が始まっており、空調・LED照明・変圧器などの高効率設備に更新する費用の1/3〜2/3が補助される。中小建設会社であれば補助率が優遇されるため、設備投資のタイミングと重ねることで実質的な負担を大きく下げることができる。

この記事では、建設業が活用できる省エネ補助金の全体像を整理したうえで、申請類型の選び方、採択されるための条件、具体的な申請手順まで掘り下げる。環境省のZEB補助金・SHIFT事業との使い分けについても解説するので、複数の補助金を組み合わせて活用したい経営者にも参考になるはずです。

建設業と省エネ補助金の接点 — なぜ今が動くタイミングなのか

建設業のエネルギー消費は、他業種と比べて見えにくい構造になっている。製造業のように生産ラインという固定したエネルギー消費の中心がなく、現場・事務所・倉庫・資材ヤードと消費箇所が分散しているためです。

日本建設業連合会(日建連)によると、会員企業のCO2総排出量(2024年度実績)は225.3万t-CO2で、2030年度までに2013年度比40%削減を目標として掲げている。建設業界全体が脱炭素に取り組むなかで、個社レベルの省エネ設備更新が国から支援を受けやすくなっている。

また、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)の改正により、中小企業においても省エネへの取り組みが求められる流れが強まっている。補助金は「もらえるなら活用する」という発想だけでなく、将来的な規制強化に備えた先手投資として位置づけることが重要です。

2026年度は電気代が高止まりする一方、補助率の水準は維持されている。設備の老朽化更新と省エネ改修を重ねれば、補助金なしで更新するよりも実質コストを大幅に下げられる。今が動くタイミングである理由はここにあります。

2026年度「省エネ・非化石転換補助金」の全体像

経済産業省・資源エネルギー庁が所管し、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が運営する省エネ補助金は、2026年度から「省エネ・非化石転換補助金」として統合・再編された。従来の「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」に相当する内容が一本化されている。

4つの申請類型と補助率

2026年度の申請類型は「工場・事業場型」「電化・脱炭素燃転型」「設備単位型」「エネルギー需要最適化型」の4種類に整理されている。建設業が活用しやすい類型を中心に補助率・上限額をまとめる。

申請類型対象補助率(中小)補助率(大企業)上限額(単年)
工場・事業場型(先進枠)先進設備・システム導入2/3以内1/2以内15億円
工場・事業場型(一般枠)指定設備またはオーダーメイド設備1/2以内1/3以内15億円
工場・事業場型(中小企業投資促進枠)中小企業のみ。省エネ要件が緩和1/2以内対象外15億円
設備単位型(従来枠)SII指定の設備を単体で更新1/3以内1/3以内1〜3億円
設備単位型(トップ性能枠)高性能の指定設備を更新1/2以内1/5以内3億円
電化・脱炭素燃転型化石燃料から電力への転換1/2以内3〜5億円

出典: 省エネ・非化石転換補助金 2026年版特設サイト(SII)

建設業で最も活用しやすいのは「設備単位型(従来枠)」と「工場・事業場型(中小企業投資促進枠)」です。設備単位型は申請の敷居が低く、高効率空調やLED照明など個別設備の更新に向いている。工場・事業場型は複数設備を一度に更新したい場合や、より高い補助率を狙いたい場合に選択する。

中小企業の定義

省エネ補助金における「中小企業」の定義は中小企業基本法に準ずる。建設業では資本金3億円以下または従業員数300人以下が中小企業に該当する。多くの建設会社はこの基準に収まるため、優遇された補助率が適用される。

2026年度の申請スケジュール

2026年3月30日から1次公募の受付が始まっている。過去の実績では年3回(1次:3〜4月、2次:6〜7月、3次:8〜10月)の公募が設けられており、2026年度も同様のスケジュールが想定されている。採択結果の発表から交付決定まで通常1〜2ヶ月かかるため、設備発注のタイミングを逆算しておく必要があります。

申請前に機器発注してはいけない

省エネ補助金は原則として「交付決定後」に発注・契約した設備が対象です。申請前に設備を発注・購入してしまうと補助対象外になる。設備更新の計画があれば、まず補助金の申請スケジュールを確認してから発注の段取りを組むこと。

建設業で使える対象設備 — 本社・倉庫・現場事務所に当てはめる

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省エネ補助金の対象設備は多岐にわたる。建設会社のどの場面で活用できるか、具体的に整理します。

本社・営業所での活用

本社ビルや営業所は、建設会社のなかでエネルギー消費が最も安定的に計測できる拠点です。空調・照明・変圧器の老朽化更新のタイミングで補助金を活用しやすい。

高効率空調(業務用エアコン)

建物用途や規模に応じた高効率空調への更新が対象になる。SIIが指定したCOP値(エネルギー消費効率)を満たす製品に限られるが、主要メーカーの業務用エアコン(パッケージエアコン)の多くが指定設備一覧に掲載されている。10年以上稼働した空調機器は効率が落ちており、更新後の省エネ効果が試算しやすいため、申請書類も作成しやすい。

LED照明(制御機能付き)

設備単位型では「制御機能付きLEDランプ・LED器具」が対象に指定されている。単純なLED化だけでなく、センサーや調光機能を組み合わせた導入が必要な点に注意する。事務所・廊下・駐車場など用途ごとに対象製品が異なるため、SIIの設備一覧で確認してから設計業者に相談するのが確実です。

変圧器

本社ビルや工場・倉庫に設置されているキュービクル式変圧器(高圧受電設備)の高効率機種への更新も補助対象になります。変圧器は交換サイクルが長く(15〜20年)、更新コストが大きいため補助金の活用効果が高い水準です。高効率変圧器はトップランナー基準に対応した製品を選ぶ必要があります。

倉庫・資材ヤードでの活用

倉庫の照明は長時間点灯することが多く、LED化の省エネ効果が大きいといえます。資材を保管する倉庫は温度管理が必要なケースもあり、空調設備の効率化とあわせて省エネ計画を立てることが効果的です。

屋外の資材ヤードでは、照明設備(水銀灯・メタルハライドランプ)をLEDに更新する需要が高い。夜間の資材管理や安全確保のために長時間点灯させる場面が多く、電力削減効果が顕著に出やすい。

現場事務所(プレハブ)での活用

建設現場に設置するプレハブ型の現場事務所は、断熱性が低く冷暖房の効率が悪い。夏場・冬場は空調の稼働時間が長くなり、電力コストと燃料コストが膨らみやすい。

現場事務所は移動・撤去を前提とした仮設建物のため、固定建物の改修を前提とした一部の補助金は使いにくい面があります。ただし、現場で使用するポータブル電源・業務用エアコンの高効率機種への切り替えは、補助金の対象になるケースがあります。現場ごとの仮設電力コストの合計を試算してみると、意外に大きな数字になることが多くあります。

工場・資材ストックヤードでの活用

製造機能や加工設備を持つ建設会社では、工場設備の省エネ化が補助対象の中心になる。産業用モーター、コンプレッサー、ポンプなども指定設備に含まれており、プレカット工場・鉄筋加工場・建具製作工場などを持つ建設会社には活用できるケースが多い。

申請類型の選び方 — 建設業向けの判断フロー

補助金の申請類型は、導入設備の種類と会社の規模・省エネ計画の範囲によって選ぶ。判断フローを整理します。

ステップ1 — 導入設備が指定設備か否か

SII公式サイトの「設備一覧検索」で、導入を検討している設備がSII指定設備に含まれているか確認します。指定設備に該当する場合は「設備単位型」が使いやすい。指定外の設備や複数設備を組み合わせる場合は「工場・事業場型」を検討する。

ステップ2 — 申請規模と省エネ要件

設備単位型は個別設備ごとに申請できるが、補助率は1/3(従来枠)と控えめです。工場・事業場型は事業場全体の省エネ率(7〜30%以上など)を達成する計画が必要になるが、補助率は1/2〜2/3と高くなる。

中小企業投資促進枠は省エネ率の要件が一般枠より緩和されているため、省エネ計画の立案が容易です。ただし、エネルギー管理に関するデータ(現状のエネルギー使用量)を整備しておく必要があります。

ステップ3 — 補助下限額の確認

設備単位型には補助金の下限額が設定されており(30万〜100万円)、小規模な設備更新では補助対象外になるケースがあります。一度に複数の設備をまとめて更新することで下限額をクリアしやすくなる。

判断軸推奨類型
指定設備を1〜数台更新する設備単位型(従来枠)
指定設備で高性能機種を選びたい設備単位型(トップ性能枠)
事業場全体をまとめてリニューアル工場・事業場型(中小企業投資促進枠)
化石燃料設備を電気設備に切り替え電化・脱炭素燃転型
複数企業の現場をまとめて省エネ化工場・事業場型(サプライチェーン連携枠)

採択率を上げる「省エネ診断」の先行活用

省エネ補助金の採択率を上げる有効な手段が、SIIが実施する「省エネ診断」を先に受けることです。

省エネ診断では、専門家が事業場のエネルギー使用状況を把握し、改善項目と省エネ効果を数値で提案する。診断結果は補助金申請の根拠資料として活用でき、「どの設備を更新すれば何%の省エネになるか」という計算の精度が上がる。工場・事業場型の申請では省エネ率の計画値を申請書に記載する必要があるため、省エネ診断を受けておくと根拠のある数値を書きやすくなる。

省エネ診断の種類と費用

診断種別内容自己負担額(税込)
ウォークスルー診断専門家が現地でエネルギー使用状況を把握・改善項目を提案6,006円〜51,051円
IT診断センサーでエネルギーを数値化・データ分析上限220,000円
伴走支援診断後も専門家が継続サポート最大51,051円

出典: 省エネ診断公式サイト(shoeneshindan.jp)

診断の自己負担額は補助金の採択後に得られるメリットと比べると小さい。設備更新の規模が大きいほど、診断費用の投資対効果は高い。

2026年度も「令和7年度補正 中小企業等エネルギー利用最適化推進事業費」として省エネ診断事業が継続しており、東北経済産業局をはじめ各地の経済産業局から案内が出ている。

ZEB補助金・SHIFT事業との使い分け

省エネ関連の補助金は省エネ・非化石転換補助金(経済産業省)だけでなく、環境省所管の「ZEB補助金」「SHIFT事業」も存在する。建設会社が持つ資産の種類に応じて使い分けることが重要です。

ZEB補助金(ZEB普及促進に向けた省エネルギー建築物支援事業)

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)は、断熱・省エネ・創エネの組み合わせで建物全体のエネルギー消費量をゼロに近づける考え方です。環境省が所管し、SIIが執行するZEB補助金は、新築・既存建物のZEB化改修に使える。

建設会社が自社の本社ビルや事務所建物をZEB化改修する場合は、省エネ・非化石転換補助金よりZEB補助金の方が補助率が高くなるケースがあります。ZEB補助金の補助率は1/6〜2/3で、建物の断熱改修・太陽光発電・BEMSの導入をまとめてカバーできる点が大きいといえます。

項目省エネ補助金(経産省)ZEB補助金(環境省)
主な対象設備(空調・照明・変圧器等)建物全体(断熱・省エネ・創エネ)
補助率(中小)1/3〜2/31/6〜2/3
特徴設備単体から申請できるZEB基準達成が条件。ZEBプランナーが必要
申請窓口SIISII

自社ビルを将来的にZEB化したい場合は、先に省エネ・非化石転換補助金で設備更新を進め、その後ZEB補助金でBEMS・創エネ設備を追加するという段階的なアプローチも有効です。

SHIFT事業(脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業)

SHIFT事業は環境省所管の補助金で、CO2排出量を大幅に削減する取り組みを支援する。省エネ計画策定から設備導入までを一貫して支援するのが特徴で、中小企業は補助率1/3・上限1億円(または5億円)が適用される。

省エネ・非化石転換補助金との違いは、SHIFT事業が「CO2削減」を前面に出している点です。電化・燃料転換・DXによる運用改善など、より幅広い取り組みが対象になる。省エネ・非化石転換補助金で対象外になる設備や取り組みがSHIFT事業では対象になるケースがあるため、二つの制度を確認したうえで申請先を決める。

電動建設機械の補助金(GX建機補助金)との関係

建設機械の電動化を検討している場合は、国土交通省・経済産業省が連携する「商用車等の電動化促進事業(建設機械)」(GX建機補助金)が別途用意されている。GX建設機械と充電設備の導入に対し、購入差額の2/3が補助される仕組みです。

省エネ補助金は建物・設備側の省エネ化を対象としており、建設機械そのものの電動化はGX建機補助金の管轄になる。一方、充電設備のある建物側の変圧器更新や電気設備改修には省エネ補助金が使えるケースがあります。両制度を組み合わせることで、建設会社の脱炭素化を幅広くカバーできる。電動建機の導入と合わせた補助金活用を検討するなら、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車・建機補助金)の解説記事も参考になる。

省エネ補助金の申請から採択・入金までの流れ

1

現状のエネルギー使用量を把握する

過去1〜3年分の電気・ガスの使用量データを集める。電力会社の「でんき家計簿」やガス会社の検針票を活用します。工場・事業場型は事業場全体のエネルギー使用量が必要になる。

2

省エネ診断を受ける(推奨)

SIIの省エネ診断(ウォークスルー診断)を受け、改善箇所と省エネ効果を専門家に算出してもらう。診断結果は申請書類の根拠資料になる。

3

導入設備の選定・見積もり取得

SIIの設備一覧検索で補助対象製品を確認し、設備業者・メーカーから見積もりを取る。設備単位型は指定設備から選ぶ必要があります。工場・事業場型は指定外設備も組み合わせられる。

4

申請書類を作成する

交付申請書・省エネ計算書・現状と更新後の省エネ効果の比較表・見積書などを作成する。申請はSIIの電子申請システム(jGrants経由)で提出する。

5

公募に応募する(交付申請)

公募期間内にjGrantsから申請する。書類の不備があると補正を求められ、採択が遅れる。提出前にSIIの手続き説明会・説明資料で確認点を押さえておく。

6

採択・交付決定を受ける

採択審査の結果は応募から1〜2ヶ月後に通知される。交付決定通知を受け取ってから設備の発注・契約が可能になる。交付決定前の発注は補助対象外になるため厳守する。

7

設備を発注・導入する

交付決定後に設備を発注し、工事・導入を進める。工事完了後、実績報告書と設備導入後のエネルギー使用量データを提出する。

8

実績報告・補助金受取

実績報告書が審査を通過すると、確定通知が届く。補助金は確定通知後に指定の銀行口座へ振り込まれる。

申請を省力化するポイント

申請書類のなかで時間がかかるのは「省エネ効果の計算書」と「現状と更新後の比較表」です。設備メーカーや設備業者が計算を手伝ってくれるケースも多く、見積もりを依頼する際に「省エネ補助金の申請を予定しているので計算を支援してほしい」と伝えておくと作業負担を減らせる。

補助金申請の支援業務を行う認定支援機関や補助金コンサルタントに依頼するという選択肢もあります。採択後のコンサルティング費用(成功報酬型が多い)と採択時の補助額を天秤にかけて判断してほしい。省エネ補助金に限らず、設備投資全般の補助制度を把握したい場合は業務改善助成金の解説記事も確認しておくとよい。

建設会社が省エネ補助金で犯しやすいミス

補助金申請では、制度のルールを正確に理解していないと採択後に問題が発生することがあります。建設会社が陥りやすいミスを整理します。

交付決定前の発注・着工

最もよくあるミスが「採択されたと思って交付決定前に発注した」ケースです。採択通知と交付決定通知は別物で、発注可能になるのは「交付決定通知」を受け取ってから以降です。採択通知が来た段階では発注できません。

補助対象外設備の混入

補助金で購入する設備に補助対象外のものが混入していると、補助金全体が減額または不採択になるリスクがあります。設備の見積書を作成する際は、補助対象設備と補助対象外設備を明確に区分しておく。

省エネ効果の過大申告

申請書に記載する省エネ効果(削減量・削減率)は、実測ではなく計算値で記載する。省エネ効果が実際より大きく見える数値を書くと、実績報告時に乖離が問題になる。SIIが定める計算方法に沿って、控えめな数値を記載する方が安全です。

法人番号・振込先口座の誤記

jGrantsの申請では法人番号や振込先口座番号の入力ミスが後から修正しにくい。申請前に法人番号(国税庁の法人番号公表サイトで確認できる)と振込先口座を手元に準備してから入力する。

補助金活用の費用対効果シミュレーション

中小建設会社が省エネ補助金を活用した場合の効果をシミュレーションする。

ケース1 — 本社の空調機器を全面更新する場合

本社ビル(延床面積300m²)の業務用エアコン10台(設置から15年経過)を高効率機種に更新する例です。

  • 更新費用の見込み: 800万円
  • 設備単位型(従来枠)の補助率: 1/3
  • 補助金額の目安: 約267万円
  • 実質負担額: 約533万円
  • 年間の電力削減量の目安: 更新前比で20〜30%削減
  • 年間の電気代削減額(電気代25円/kWhで試算): 40〜80万円
  • 投資回収期間(補助金活用後): 約7〜13年

空調の耐用年数(13〜15年)と照らし合わせると、補助金を活用した場合の実質的な回収期間は設備の寿命内に収まる計算になる。

ケース2 — 倉庫のLED化と変圧器更新を同時に申請する場合

倉庫(延床面積1,000m²)の水銀灯をLED(制御機能付き)に交換し、あわせて変圧器も高効率機種に更新する例です。

  • 工事費の見込み: LED化400万円 + 変圧器更新200万円 = 合計600万円
  • 設備単位型(従来枠)補助率: 1/3
  • 補助金額の目安: 約200万円
  • 補助下限額(30万〜100万円)を超えているか: 超えているので申請可能
  • 実質負担額: 約400万円
  • 年間の電気代削減額の目安: 50〜100万円

LED化は工事から1〜2年で投資回収できる場合も多く、補助金を重ねることで回収をさらに早められる。

2026年度以降の省エネ規制動向 — 建設業が知っておくべきこと

省エネ補助金の活用は単なるコスト削減にとどまりません。今後の規制強化を見据えた経営判断として位置づけることが重要です。

省エネ法の改正により、エネルギー使用量が一定規模を超える事業者には定期的なエネルギー使用状況の報告が義務づけられている。2025年以降、中小企業にも省エネ目標の設定や取り組み実績の開示を求める動きが強まる見通しです。

また、建物の省エネ基準(省エネ法・建築物省エネ法)は段階的に引き上げられており、既存の事業所ビルが将来的に基準を満たさなくなる可能性があります。自社の建物の省エネ性能を早期に把握し、計画的に改修することが、将来の規制対応コストを抑えることにもつながる。

省エネ診断を受けることでエネルギー使用状況を「見える化」し、補助金申請の根拠にしながら将来の規制対応に備えるというのが、中小建設会社にとって費用対効果の高い動き方です。省エネ補助金以外にも建設業が使える補助金・助成金は複数ある。建設業の補助金・助成金一覧で全体像を把握しておくことをすすめる。

申請前に確認すべきチェックリスト

補助金申請を検討し始めたら、以下の項目を事前に確認しておく。

  • 過去1〜3年の電気・ガスの使用量データが手元にある
  • 更新を検討している設備がSIIの指定設備一覧に掲載されているか確認した
  • 設備の見積もりを1社以上から取得している(複数社比較が望ましい)
  • 省エネ補助金の1次公募の受付期間(2026年3月30日〜)を把握している
  • 交付決定前には設備を発注しないことを関係者(工務担当・経理担当)が理解している
  • 申請書類の作成を支援する設備業者またはコンサルタントを確認している
  • 自社が「中小企業」の定義に該当するか確認した(資本金3億円以下または従業員300人以下)
省エネ診断の申込先

省エネ診断はSIIの特設サイト(shoeneshindan.jp)から申込できる。ウォークスルー診断は6,000円台から受けられる。補助金申請を検討している場合は早めに診断を受けておくと、申請書類の準備がスムーズになる。

よくある質問

よくある質問

建設業でも省エネ補助金を申請できますか?
申請できます。省エネ・非化石転換補助金は製造業だけでなく建設業・サービス業など幅広い業種が対象です。本社・営業所・倉庫・資材ヤードの空調・照明・変圧器等の設備更新に活用できます。中小建設会社(資本金3億円以下または従業員300人以下)は補助率が優遇されます。
省エネ補助金の補助率はいくらですか?
申請類型によって異なります。設備単位型(従来枠)は補助率1/3が基本です。工場・事業場型では中小企業が1/2(一般枠・中小企業投資促進枠)または2/3(先進枠)の補助率が適用されます。設備単位型(トップ性能枠)では中小企業が1/2の補助率になります。
省エネ補助金の申請スケジュールはいつですか?
2026年度は3月30日から1次公募の受付が始まっています。過去の実績では年3回(1次:3〜4月、2次:6〜7月、3次:8〜10月)の公募が実施されています。採択結果は応募から約1〜2ヶ月後に通知されます。最新のスケジュールはSIIの公式サイトで確認してください。
省エネ補助金は設備を購入してから申請できますか?
できません。省エネ補助金は「交付決定後」に発注・購入した設備が補助対象になります。先に設備を購入してしまった場合は補助対象外になります。設備更新の計画がある場合は、公募期間内に申請して交付決定通知を受け取ってから発注してください。
省エネ診断を先に受けると有利になりますか?
有利になります。省エネ診断(SIIが実施)を先に受けることで、設備更新後の省エネ効果を専門家が数値で示してくれます。この診断結果を申請書の根拠資料として活用できるため、工場・事業場型の申請では省エネ率の計算根拠が明確になり、採択審査で評価されやすくなります。ウォークスルー診断は6,000円台から受けられます。
建設現場の仮設電源・現場事務所も補助対象になりますか?
補助対象になりにくい場合が多いです。省エネ補助金は原則として恒常的に使用する建物・設備の省エネ化を対象としており、撤去を前提とした仮設建物や仮設電源は対象外になるケースがあります。ただし、現場で継続的に使用する業務用エアコンや照明機器については指定設備一覧での確認が必要です。SIIのコールセンターに個別相談するのが確実です。
省エネ補助金とZEB補助金を同一建物に併用できますか?
原則として同一建物に対して両補助金を同時に受けることはできません。ただし、時期をずらして申請する(先に省エネ補助金で設備更新、後年にZEB補助金で追加改修)という方法は検討できます。ZEB補助金は建物全体のZEB化が条件になるため、段階的に省エネ性能を高めていく計画を立てることが重要です。

参考情報


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