「人手が足りありません。求人を出しても応募がこない」。建設業の経営者が口をそろえる課題に対して、特定技能制度による外国人材の受入れが現実的な選択肢として広がっています。国土交通省の資料によると、建設分野の特定技能外国人は2025年時点で約2.8万人に達し、前年比で約40%増加しました。即戦力として現場に配置できる特定技能は、技能実習とは異なるメリットを持つ一方で、建設業特有の手続きが複数あります。
この記事では、特定技能「建設」の受入れに必要な手順を、JAC登録からCCUS要件、在留資格の申請まで一つずつ整理しました。外国人材の受入れを初めて検討する中小建設会社の経営者に向けて、費用感や注意点も含めて解説します。なお、技能実習と特定技能の制度全体を比較したい方は「建設業の外国人材活用ガイド」をあわせてご覧ください。
特定技能「建設」の制度概要 — ほかの分野と何が違うか
特定技能は2019年4月に創設された在留資格で、人手不足が深刻な産業分野で即戦力となる外国人材の就労を認める制度です。建設分野は全16分野(2024年3月閣議決定で追加)のうちの一つですが、ほかの分野にはない独自のルールが複数あります。
建設分野だけに課される3つの要件
| 要件 | 内容 | ほかの分野 |
|---|---|---|
| 建設特定技能受入計画の認定 | 国土交通大臣の認定が必要 | 不要 |
| JAC(建設技能人材機構)への加入 | 正会員団体の会員またはJAC賛助会員 | 加入義務なし |
| 月給制の義務 | 日給月給は不可。月額固定給 | 規定なし(日給可の分野もある) |
建設業は労働災害のリスクが高く、技能者の処遇改善が政策的に重視されているため、ほかの分野よりも厳格な受入れ体制が求められます。裏を返せば、これらの要件をクリアした企業は、制度に基づいた安定的な外国人材の確保が可能になるということです。
特定技能1号と2号の違い
特定技能には1号と2号の2区分があります。
| 区分 | 在留期間 | 家族帯同 | 技能水準 | 日本語能力 |
|---|---|---|---|---|
| 1号 | 通算5年 | 不可 | 相当程度の知識・経験 | N4相当以上 |
| 2号 | 上限なし(更新制) | 可 | 熟練した技能 | 要件なし(実務上は必要) |
2023年6月の閣議決定により、建設分野でも特定技能2号の受入れが開始されました。1号で5年の経験を積んだ後に2号へ移行すれば、在留期間の上限がなくなり、家族帯同も認められます。長期的な戦力として外国人技能者を育てたい企業にとって、2号への移行パスは大きなメリットです。
対象となる業務区分
2024年3月の閣議決定で、建設分野の業務区分は従来の細分化された区分から「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に再編されました。
| 業務区分 | 主な作業内容 |
|---|---|
| 土木 | 型枠施工、鉄筋施工、とび、コンクリート圧送、建設機械施工、土工、舗装、トンネル推進工など |
| 建築 | 型枠施工、左官、内装仕上げ、表装、屋根ふき、建築板金、吹付ウレタン断熱など |
| ライフライン・設備 | 配管、電気通信、電気工事、保温保冷など |
再編前は19の区分に分かれていたため、業務の範囲が限定的でした。3区分への統合により、同一区分内であれば複数の作業に従事できるようになり、現場での配置の柔軟性が高まっています。
JAC(建設技能人材機構)への加入手続き
建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、JAC(一般社団法人 建設技能人材機構)への加入が必須です。JACは国土交通省の指導のもと、建設分野の特定技能制度の適正な運用を担う機関で、受入れ企業の支援や外国人材への母国語相談窓口などの機能を持ちます。
加入方法は2パターン
JACへの加入方法は、正会員である建設業者団体を通じて間接的に加入する「正会員団体ルート」と、JACに直接加入する「賛助会員ルート」の2つがあります。
正会員団体ルートは、自社が加入している建設業関連の団体(全建、日建連、住団連など41団体)がJACの正会員であれば、追加の手続きなく要件を満たせます。所属団体がJAC正会員かどうかはJACの公式サイトで確認できます。
賛助会員ルートは、正会員団体に所属していない場合の選択肢で、JACに直接「賛助会員」として加入する形です。年会費は24万円(2026年3月時点)となっています。
JAC加入後に発生する費用
| 費目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 賛助会員年会費 | 24万円/年 | 正会員団体経由なら不要な場合あり |
| 受入負担金(海外試験合格者) | 月額2万円/人 | JACが実施する試験の合格者を受入れる場合 |
| 受入負担金(技能実習からの移行者等) | 月額1.25万円/人 | 技能実習2号・3号修了者の場合 |
| 行動規範研修 | 無料 | オンライン受講。受入れ前に必須 |
受入負担金は特定技能外国人の在籍期間中、毎月発生します。1人を5年間受け入れた場合、受入負担金だけで75万〜120万円になる計算です。人件費全体のシミュレーションに必ず組み込んでください。
受入れまでの手順 — 申請から就労開始まで
特定技能「建設」の受入れ手順は、ほかの分野に比べてステップが多くなります。国土交通大臣の認定とJACへの加入が加わるためです。全体の流れを整理します。
JACへの加入手続き
正会員団体ルートまたは賛助会員ルートでJACに加入する。行動規範研修(オンライン)を受講し、修了証を取得する。
人材の確保
海外の技能評価試験合格者を採用するか、自社または他社の技能実習2号・3号修了者を特定技能に移行させる。人材紹介会社を活用する方法もあります。
雇用契約の締結
日本人と同等以上の報酬額で雇用契約を結ぶ。月給制が必須。フルタイム(週30時間以上)であること。
建設特定技能受入計画の申請
国土交通省の外国人就労管理システムに登録し、受入計画を申請する。報酬額、業務内容、安全衛生体制、キャリアアップ計画などを記載。審査期間は1〜2ヶ月。
1号特定技能外国人支援計画の策定
義務的支援10項目を含む支援計画を作成する。自社で実施するか、登録支援機関に委託するかを決める。
在留資格認定証明書(COE)の申請
出入国在留管理庁に申請する。海外にいる外国人の場合はCOE交付後にビザを取得して入国。国内在住者は在留資格変更申請。審査期間は1〜3ヶ月。
CCUS登録・入国後オリエンテーション
建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者登録を行う。入国後または就労開始前に、生活オリエンテーション・安全衛生教育を母国語で実施する。
全体のスケジュール感は、人材確保から就労開始まで最短で3〜4ヶ月、海外から新規で招へいする場合は6〜8ヶ月を見込んでください。技能実習からの移行であれば、在留資格変更の手続きだけで済むため比較的短期間で移行できます。
海外から招へいする場合と国内移行の違い
| 項目 | 海外から招へい | 国内(技能実習からの移行) |
|---|---|---|
| 人材の要件 | 技能評価試験+日本語試験の合格 | 技能実習2号を良好に修了(試験免除) |
| 所要期間 | 6〜8ヶ月 | 2〜4ヶ月 |
| 受入負担金 | 月額2万円/人 | 月額1.25万円/人 |
| 渡航費 | 企業負担が一般的(10〜15万円) | 不要 |
| 日本語力 | N4以上(試験で証明) | 実習中に習得済みのケースが多い |
| 現場経験 | なし(入国後に教育が必要) | 日本の現場で2〜3年の経験あり |
中小建設会社にとって現実的なのは、自社で受け入れている技能実習生を特定技能に移行させるパターンです。すでに現場の作業を知っており、日本語も一定レベルに達しているため、教育コストが大幅に抑えられます。
建設特定技能受入計画 — 審査のポイントと書き方
建設特定技能受入計画は、建設分野に特有の申請書類で、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。この計画書の審査に通らなければ、在留資格の申請に進めません。
受入計画に記載する主な項目
受入計画には、外国人技能者の報酬額と算定根拠、従事する業務の内容と範囲、安全衛生教育の実施体制、キャリアアップ計画(昇給の基準)、受入れ企業の建設業許可番号と経営状況を記載します。
審査で特に重視されるのは「報酬額の妥当性」です。国土交通省は、特定技能外国人の報酬が「3年以上の経験を有する技能者と同等以上」であることを求めています。地域や職種によりますが、月額22万〜28万円程度が目安となります。
報酬額の算定で注意すべき点
報酬額の算定には、同じ現場で働く日本人技能者の賃金データが根拠として求められます。自社に該当する日本人がいない場合は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の職種別データや、建設業の公共工事設計労務単価を参考値として使えます。
注意したいのは、手当の扱いです。固定残業代や通勤手当を基本給に含めて「同等以上」と主張しても、審査で認められないケースがあります。基本給部分で同等以上を確保し、手当は別途支給する設計にしてください。
申請はオンラインで完結
受入計画の申請は「外国人就労管理システム」からオンラインで行います。書類の添付(建設業許可証の写し、雇用契約書、JACの加入証明、CCUS事業者登録証など)が必要ですが、窓口への持参は不要です。審査期間は概ね1〜2ヶ月ですが、書類の不備があると差し戻しで時間がかかります。初回申請は行政書士に依頼する企業も多く、報酬の相場は10〜20万円程度です。
CCUS登録と現場配置の実務
建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録は、特定技能外国人の受入れにおいて義務です。受入れ企業(事業者)と外国人技能者(技能者)の両方の登録が必要になります。
事業者登録
すでにCCUSの事業者登録を済ませている企業はこのステップを省略できます。未登録の場合は、CCUS公式サイトから事業者IDの取得手続きを行ってください。登録には建設業許可番号が必要で、審査に2〜4週間かかります。登録料は資本金に応じて異なり、資本金500万円未満の企業で6,000円です。
技能者登録
外国人技能者のCCUS登録は、在留カードの情報をもとに行います。登録に必要な書類は、在留カードの写し、パスポートの写し、雇用契約書の写し、技能資格を証明する書類(技能評価試験の合格証など)です。
登録料は簡略型(インターネット申請)で2,500円、詳細型で4,900円。特定技能外国人の場合は詳細型での登録を推奨します。技能レベルや資格情報が記録され、将来のキャリアアップ(特定技能2号への移行、経審の評価)に活用できるためです。
現場入場時の運用
CCUS登録が完了すると、ICカード(CCUSカード)が発行されます。元請企業の現場にカードリーダーが設置されていれば、入退場時にカードをかざすことで就業履歴が自動的に記録されます。カードリーダーが未設置の現場では、就業履歴を手入力で登録する必要があるため、受入れ企業側で運用ルールを決めておくことが重要です。
受入れにかかる費用の全体像
特定技能外国人を1人受け入れる場合の費用を、初期費用と月額費用に分けて整理します。
初期費用
| 費目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 30〜60万円 | 紹介会社経由の場合。技能実習からの移行なら不要 |
| 渡航費 | 10〜15万円 | 海外招へいの場合。企業負担が一般的 |
| 住居の初期費用 | 20〜30万円 | 敷金・礼金・家具家電・生活備品 |
| 行政書士報酬 | 10〜20万円 | 受入計画+在留資格申請のセット |
| CCUS技能者登録料 | 4,900円 | 詳細型の場合 |
| JAC賛助会員年会費 | 24万円/年 | 正会員団体経由なら不要な場合あり |
月額費用
| 費目 | 金額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 給与(基本給) | 22〜30万円 | 日本人と同等以上。月給制が必須 |
| 社会保険料(会社負担分) | 3.5〜4.5万円 | 給与の約15% |
| JAC受入負担金 | 1.25〜2万円 | 技能実習移行者は1.25万円、海外試験合格者は2万円 |
| 登録支援機関への委託費 | 2〜3万円 | 義務的支援を委託する場合 |
| 住居補助 | 2〜4万円 | 家賃の一部または全額を企業が負担 |
年間の総コストは1人あたり約400〜550万円(給与+社会保険+各種費用)が目安です。日本人の若手技能者を採用した場合と大きく変わりませんが、JAC受入負担金と登録支援機関への委託費が建設業特有の上乗せコストとして発生します。
一方で、採用にかかる広告費や時間的コストを考えると、確実に人材を確保できる特定技能は費用対効果の面で検討に値します。求人広告を半年掲載しても応募がゼロという状況であれば、特定技能の初期費用のほうが結果的に安くつくケースも少なくありません。
登録支援機関の選び方
特定技能1号の外国人を受け入れる企業は「義務的支援」を実施する責任を負います。義務的支援には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居の確保、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援(雇用契約解除時)、定期面談の実施、届出の実施という10項目が含まれます。
これらをすべて自社で対応するのは、初めて外国人を受け入れる企業にとってはハードルが高い作業です。そこで、登録支援機関に委託するのが一般的な選択肢になります。
登録支援機関を選ぶ際のチェックポイント
登録支援機関は全国に約9,000機関(2025年時点)あり、質にばらつきがあります。建設業の受入れ実績があるかどうかは最低限の確認事項です。
確認すべき項目として、建設分野での支援実績(年間何人を支援しているか)、対応言語(ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語のいずれかは必須)、定期面談の実施方法(対面か、オンラインか)、緊急時の対応体制(休日・夜間の連絡先があるか)、費用の内訳(月額費用に含まれるサービスの範囲)が挙げられます。
月額2〜3万円が相場ですが、「月額1万円」をうたう機関は支援内容が最低限にとどまるケースがあります。定期面談が電話のみ、母国語対応ができないといった問題が後から発覚すると、外国人技能者の離職につながりかねません。価格だけでなく、支援体制の中身を確認してください。
受入れ企業に求められる体制整備
特定技能外国人を円滑に受け入れるには、制度上の手続きだけでなく、社内体制の整備が不可欠です。
安全衛生教育の多言語対応
建設現場は労働災害のリスクが高い職場です。厚生労働省の「外国人労働者の労働災害発生状況」によると、建設業は外国人の労災発生件数が全産業で最も多い業種の一つです。安全教育を日本語だけで行うと、理解不足から重大な事故につながるおそれがあります。
厚生労働省は14言語に対応した安全衛生教育マニュアルを無料で公開しており、ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語などの主要言語をカバーしています。新規入場者教育やKY活動(危険予知活動)は、これらの資料を活用して母国語で実施してください。
住居と生活基盤の準備
外国人技能者の住居は、受入れ企業が確保するのが一般的です。会社名義でアパートを契約し、家具・家電・寝具を備えた状態で入居できるよう準備してください。初期費用の目安は20〜30万円です。
入居後の生活ルール(ゴミの分別、騒音マナー、火災報知器の使い方)は母国語の資料を渡して説明してください。自治体の多言語生活ガイドを活用すると効率的です。近隣のスーパー、病院、銀行、コンビニエンスストアの場所を母国語の地図で案内すると、生活の立ち上がりがスムーズになります。
キャリアパスの明示
外国人技能者の定着率を左右するのは、給与水準だけではありません。「この会社で働き続けたらどうなるのか」というキャリアの見通しが明確かどうかが鍵になります。
CCUSのレベル評価(レベル1〜4)と連動した昇給テーブルを設計し、入社時に母国語で説明すると効果的です。特定技能1号の5年間で2号への移行を目指すロードマップを示せば、外国人技能者にとっても中長期の目標が明確になります。2号に移行すれば家族帯同が可能になる点は、本人にとって大きなモチベーションです。
採用後の定着施策についてさらに詳しく知りたい方は「建設業の若手社員が辞めない職場づくり」も参考にしてください。
技能実習からの移行 — 実務上の注意点
自社の技能実習生を特定技能1号に移行させるケースは、最もスムーズかつ低コストな受入れパターンです。ただし、いくつかの実務上の注意点があります。
移行の要件
技能実習2号を「良好に修了」していることが移行の条件です。「良好に修了」とは、実習期間の8割以上を出席し、技能検定3級または評価調書で合格相当の評価を受けていることを意味します。技能実習3号を修了した場合も同様に移行可能です。
技能実習2号の修了後は一度帰国する必要はなく、日本国内で在留資格の変更申請を行えます。ただし、技能実習の在留期限が切れる前に変更申請を済ませる必要があるため、修了の3〜4ヶ月前から準備を始めてください。
移行時の手続きの流れ
技能実習から特定技能への移行手続きは、新規招へいに比べると簡略化されています。JACへの加入(未加入の場合)、雇用契約の締結(新たに特定技能としての契約)、建設特定技能受入計画の申請・認定、支援計画の策定、在留資格変更許可申請の順に進めます。
海外からの招へいと異なり、渡航費や入国前の日本語教育費が不要なため、初期コストは30〜50万円程度に抑えられます。
2027年の育成就労制度移行との関係
2027年4月に技能実習制度が「育成就労制度」へ移行する予定です。現在の技能実習生は経過措置により引き続き在留が認められますが、新制度では転籍(職場変更)の要件が緩和されるなど、受入れ企業にとって影響の大きい変更が予定されています。
特定技能への早めの移行を進めておくことで、制度移行期の混乱を回避できます。育成就労制度の詳細は「育成就労制度と技能実習の違い。建設業が2026年中に準備すべきこと」で解説しています。
よくある失敗パターンと対策
特定技能の受入れを始めた建設会社が直面しやすい問題と、その対策を整理します。
報酬額の設定ミスで受入計画が不認定
受入計画の審査で最も多い指摘が「報酬額が低い」というものです。自社の日本人技能者の給与が低水準である場合、「同等以上」の基準を満たしていても、国土交通省が求める「3年以上の経験を有する技能者相当の水準」に達していないと判断されることがあります。
対策としては、公共工事設計労務単価や賃金構造基本統計調査のデータを使い、地域・職種の相場を事前に確認してください。基本給で月額22万円を下回ると、審査が厳しくなる傾向にあります。
登録支援機関に丸投げして現場が混乱
登録支援機関への委託は義務的支援の「実施」を委託するものであり、受入れ企業の「責任」がなくなるわけではありません。支援機関からの定期報告を確認せず、外国人技能者との面談を自社で一切行わなかった結果、不満が蓄積して突然の離職につながるケースがあります。
月1回は外国人技能者との直接面談の機会を設け、現場での困りごとや人間関係の問題を早期に把握してください。通訳が必要な場合は、登録支援機関の通訳サービスを活用するか、翻訳アプリを併用します。
天候不良日の扱いを決めていない
月給制が義務の特定技能では、天候不良で現場が休みになっても給与が発生します。この点を想定していなかった企業が、雨天続きの月に人件費が想定を大幅に超えるという事態に直面するケースがあります。
天候不良日は社内研修、安全教育の補講、日本語学習、資格取得のための座学に充てるルールをあらかじめ決めておくと、コストを「投資」に転換できます。年間の雨天日数を地域別に想定し、人件費のシミュレーションに織り込んでおくことが実務上のポイントです。
参考情報
- 出入国在留管理庁 特定技能制度 — 法務省、2024年
- 建設分野における特定技能外国人の受入れについて — 国土交通省
- JAC(建設技能人材機構)公式サイト — 加入手続き・受入負担金の詳細
- 賃金構造基本統計調査 — 厚生労働省、報酬額の算定根拠として活用
- 建設キャリアアップシステム(CCUS) — 事業者・技能者登録の手続き
- 外国人労働者向け安全衛生教育マニュアル — 厚生労働省、14言語対応
よくある質問
- 建設業で特定技能外国人を受け入れるにはJACへの加入が必須ですか?
- はい、建設分野で特定技能外国人を受け入れるにはJAC(建設技能人材機構)への加入が必須です。正会員団体(全建、日建連など41団体)の会員として間接加入するか、JACの賛助会員として直接加入する方法があります。賛助会員の年会費は24万円です。
- 特定技能の受入れにかかる費用はどれくらいですか?
- 初期費用は30〜60万円(人材紹介手数料)+住居費用20〜30万円+行政書士報酬10〜20万円が目安です。月額費用は給与22〜30万円+社会保険料+JAC受入負担金1.25〜2万円+登録支援機関委託費2〜3万円で、年間総コストは1人あたり約400〜550万円になります。
- 技能実習から特定技能への移行はどうすればよいですか?
- 技能実習2号を良好に修了していれば、試験免除で特定技能1号に移行できます。帰国の必要はなく、国内で在留資格変更申請を行います。技能実習の在留期限が切れる3〜4ヶ月前から準備を始めてください。
- 特定技能外国人にはCCUS登録が必要ですか?
- はい、特定技能外国人のCCUS(建設キャリアアップシステム)登録は義務です。受入れ企業の事業者登録と、外国人技能者の技能者登録の両方が必要です。登録料は詳細型で4,900円、審査には2〜4週間かかります。
- 特定技能外国人の給与は月給制でなければいけませんか?
- はい、建設分野の特定技能外国人は月給制が必須です。日給月給は認められません。天候不良で現場が休みの日も給与が発生するため、雨天日の活用方法(社内研修、安全教育など)をあらかじめ計画しておくことが重要です。
- 特定技能1号から2号への移行は可能ですか?
- 可能です。2023年6月から建設分野でも特定技能2号の受入れが開始されました。2号に移行すると在留期間の上限がなくなり、家族帯同も認められます。1号で5年の経験を積んだ後に、熟練した技能を有することを証明する試験に合格する必要があります。
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