「工期が遅れている現場があります。でもどの工程がボトルネックなのか、正確につかめない」。紙の工程表やExcelでの管理に限界を感じている現場代理人・経営者は少なくありません。

国土交通省が推進する「i-Construction」や2024年問題(時間外労働の上限規制)への対応が急務となるなか、工程管理ソフトを導入する建設会社が増えています。大手ゼネコンを中心とした業界団体の調査でも、会員企業の多くが何らかのクラウド型施工管理ツールを利用しており、導入割合は前年度比で着実に上昇している傾向です(具体的な数値は各業界団体の年次調査を参照してください)。

「自社の現場に合った工程管理ソフトはどれか」を判断できるよう、建設業に特化した10製品を機能・料金・連携性の観点から同一基準で評価し、企業規模別のおすすめも整理しました。

この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ代表

建設業を含む150プロジェクト以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。本記事の10製品比較は各製品の公式リリース・i-Construction 2.0 関連の国交省資料を一次ソースに、工期遅延の実務課題に紐づく形で整理しています。

工程管理ソフトとは?建設現場で果たす役割

工程管理ソフトとは、建設現場のスケジュール策定・進捗確認・遅延検知・リソース配分をデジタル上で一元管理するクラウドサービスです。従来のExcelや紙のバーチャートでは、変更のたびに手作業で修正が必要でした。ソフトを使えば、工程線をドラッグするだけで後続工程が自動で再計算され、関係者全員にリアルタイムで共有されます。

建設現場における工程管理の本質は「工期の遵守」と「手待ち時間の最小化」にあります。工期が1日遅延するごとに、仮設費・人件費・機材リース費が積み上がり、利益を圧迫します。国土交通省の「公共工事の工期に関する基準」では、適正な工期設定と進捗管理の重要性が繰り返し強調されています。

工程管理ソフトが提供する代表的な機能を整理します。

  • バーチャート / ガントチャートの作成・編集
  • ネットワーク工程表(クリティカルパス分析)
  • 工程変更時の後続タスク自動再計算
  • 天候や休日を加味した実稼働日ベースのスケジューリング
  • 写真・日報との連動による進捗の見える化
  • 元請け・下請け間のリアルタイム共有
  • モバイル対応(スマホ・タブレットからの閲覧・編集)

紙やExcelから移行するだけで、工程表の作成時間が平均60%削減されたという導入事例も報告されています。とくに複数現場を並行して管理する中小建設会社では、ソフトの導入効果が大きく出やすい傾向があります。

工程管理ソフトの選び方 — 失敗しない判断基準

工程管理ソフトは製品ごとに得意分野が異なります。自社の現場規模・業種・課題に合ったものを選ぶことが最も重要です。ここでは、選定時に押さえるべき5つの基準を整理します。

1

工程表の形式が自社の現場に合っているか

バーチャート中心の現場か、ネットワーク工程表を使う現場かで選ぶべきソフトが変わります。土木系ではネットワーク工程表への対応が必須、建築・リフォーム系ではガントチャートで十分なケースが多いです。

2

現場数と利用人数に対して料金が見合うか

10名以下の少人数で使うなら月額1万円前後のソフトで十分。50名以上が利用する場合はアカウント単価が重要になります。「1アカウントあたり月額いくらか」を基準に比較しましょう。

3

他の業務システムとの連携は可能か

原価管理、写真管理、勤怠管理など他のツールとデータが連携できるかは運用効率を大きく左右します。API連携やCSVインポートの可否を確認してください。

4

モバイル対応の実用性

現場ではPCを開けない場面が大半です。スマホやタブレットから工程表の閲覧だけでなく、更新・コメント追加ができるか、オフライン時にも使えるかを確認しましょう。

5

導入支援・サポートの手厚さ

ITに不慣れな職人が多い現場では、導入時の研修やヘルプデスクの対応品質が定着率を左右します。無料トライアル期間中にサポートの応答速度を体感しておくのが得策です。

とくに中小建設会社で見落としがちなのが「利用者のITリテラシー」です。高機能なソフトを導入しても、50代・60代の職人が使いこなせなければ定着しません。無料トライアルの段階で、実際に現場の職人に触ってもらうことをお勧めします。

工期遅延が工事利益に与えるコスト — 数字で見る影響

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工程管理のデジタル化を検討するにあたり、「現状のExcel管理でも特に問題ない」と感じている方は少なくありません。しかし工期遅延が発生した際の追加コストを試算すると、工程管理ソフトの投資対効果が見えやすくなります。

例えば、請負金額3,000万円の新築工事で工期が10日遅延した場合、以下のコストが発生します。

  • 仮設費の追加(仮設トイレ・足場・電気・水道): 1日あたり約1〜3万円 × 10日 = 10〜30万円
  • 職人の手待ち費用(1人1日2万円 × 10名 × 2日分の待機): 40万円
  • 工具・建設機械のリース延長: 1日あたり2〜5万円 × 10日 = 20〜50万円
  • 下請けへの追加補償・段取り替え: ケースにより10〜50万円

合計で数十万〜100万円以上の追加費用が発生するケースは珍しくありません。年間10〜15現場を手がける中小建設会社であれば、工期遅延の累積コストは年間で数百万円規模になる可能性があります。

建設業の実務において、工期遅延の主な原因として挙げられるのは「設計変更・追加工事」「天候不順」「材料・機材の調達遅れ」の3つで、現場ヒアリングや業界調査でも上位を占める傾向があります。工程管理ソフトの導入で、変更発生時の後続工程の自動再計算や関係者への即時共有が実現すれば、これらの遅延コストの多くを未然に防げます。

ExcelとクラウドソフトのCapability比較

Excelでの工程管理から移行を検討している場合、機能面でどこが変わるかを把握しておくことが判断の近道です。

比較項目Excel工程管理クラウドソフト
工程変更後の自動再計算手動(マクロ設定が必要)自動(後続工程が即時再計算)
複数人での同時編集原則1人(共有設定でも競合しやすい)クラウドで複数人が同時編集可能
スマホからの確認・更新閲覧は可能・編集は困難アプリで現場からリアルタイム更新
変更履歴の管理手動でバージョン保存が必要自動で変更履歴を記録・復元可能
元請け・下請けへの共有メール添付・FAXで手間がかかるURLリンク1つで関係者全員に即時共有
天候・休日を考慮した計算手動でカレンダー調整が必要実稼働日ベースで自動スケジューリング
原価管理との連携別ファイルで管理(連携に手間)工程進捗と原価が自動連動するソフトあり

Excelが優れている点は「ランニングコストがゼロ」「操作に慣れた担当者が多い」「カスタマイズの自由度が高い」です。一方、クラウドソフトは「情報共有の即時性」「変更対応の効率」「モバイル対応」で明確に上回ります。現場数が3以上、または複数の協力会社と情報共有している場合は、クラウドソフトへの移行効果が大きくなります。工程管理に伴う人員・機材の調整管理を一体で運用する事例も増えています。

工程管理ソフト10選 — 機能・料金・補助金対応を一覧比較

今回比較する10製品を一覧表にまとめました。料金は2026年3月時点の公開情報に基づいています。

サービス名料金主な機能補助金対応
ANDPAD 要問合せ(ID課金制)
  • ガントチャート
  • 写真管理
  • チャット
  • 図面共有
  • 原価管理
対応
現場ナビ工程 月額4,000円〜/1PC
  • バーチャート
  • ネットワーク工程表
  • 自動再計算
  • PDF出力
対応
ダンドリワーク 月額19,800円〜(30名)
  • ガントチャート
  • 横断工程表
  • チャット
  • 写真共有
対応
Kizuku 要問合せ(初期11万円)
  • 工程管理
  • 日報
  • チャット
  • 検査報告書
対応
AnyONE 月額18,000円〜
  • 工程表
  • 見積
  • 原価管理
  • 帳票出力
対応
サクミル 月額9,800円(30名)
  • 工程管理
  • 日報
  • 原価管理
  • 経営レポート
対応
現場ポケット 月額9,680円〜(年契約)
  • トーク
  • 写真共有
  • 日報
  • 報告書
対応
KANNA 要問合せ
  • 施工管理
  • 報告書作成
  • 図面管理
  • 写真台帳
対応
クラフタ 基本無料(工程表は有料)
  • 施工管理
  • 顧客管理
  • チャット
  • 写真共有
未対応
CONOC建設業クラウド 月額5,000円〜
  • 工程管理
  • 日報
  • 原価管理
  • 粗利分析
対応

※ 料金は税別表記です。「要問合せ」の製品は企業規模・利用人数によって見積もりが異なります。補助金対応は「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」の過去の登録実績に基づいています。最新の登録状況は各公式サイトでご確認ください。

各製品の詳細レビュー

1. ANDPAD(アンドパッド) — 業界シェアNo.1の総合型

利用社数20.2万社超、ユーザー数51万人以上と建設業界で圧倒的なシェアを持つクラウド型施工管理サービスです。工程管理だけでなく、写真管理・図面共有・チャット・受発注・原価管理まで一気通貫で対応できる点が最大の強みです。

ガントチャート形式の工程表はドラッグ操作で直感的に編集でき、変更内容はリアルタイムで関係者全員に反映されます。協力会社へのアカウント発行も可能で、元請け・下請け間の情報共有がスムーズになります。

向いている企業

  • 従業員10名以上で複数現場を同時に管理する建設会社
  • 工程管理だけでなく原価・受発注まで一元化したい
  • 元請け・下請け間の情報共有を改善したい

注意点

  • 料金は非公開(要問合せ)。小規模事業者にはコスト面でハードルが高い場合がある
  • 機能が多いぶん、全機能を使いこなすまでに時間がかかる
  • 導入支援の専任担当がつくが、社内への浸透には自社側の推進担当も必要

2. 現場ナビ工程(構造ソフト) — ゼネコン標準のPC特化型

スーパーゼネコンや準大手ゼネコンでの採用率が高い、PC向け工程管理ソフトです。バーチャート工程表とネットワーク工程表の両方に対応しており、同一画面上で混在表示できる点が特徴的です。導入企業は500社以上、サービス継続率96%という実績を持ちます。

工程線はマウスの開始日・終了日クリックで描画でき、手書き感覚で操作可能です。休日変更時に後続工程を実稼働日数ベースで自動修正する機能があり、天候による遅延が発生しても再計算の手間がかかりません。

向いている企業

  • 土木・大規模建築でネットワーク工程表を使う現場
  • PCベースの工程管理に慣れた技術者がいる
  • バーチャートとネットワーク工程表を併用したい

注意点

  • クラウド型ではなくPC(ライセンス)型。モバイルでの閲覧・編集は限定的
  • 月額4,000円/1PCと安価だが、複数台利用時はライセンス数が必要
  • 写真管理やチャット機能は搭載されていない

3. ダンドリワーク — 現場コミュニケーション×工程管理

利用社数80,000社超、ユーザー数140,000人を超える施工管理アプリです。建築工事の現場管理に精通したメンバーが開発しているため、実務に沿った機能設計になっています。

工程表はひな形をベースに作成でき、横断工程表やカレンダー式工程表での表示にも対応。チャット機能で工程変更の連絡をそのまま関係者に通知できる運用がしやすく、LINEで業務連絡をしていた会社が公私分離を目的に導入するケースが多いとされています。

向いている企業

  • 元請け・下請け間のやり取りが煩雑で効率化したい
  • LINEでの業務連絡を公式ツールに移行したい
  • 工程表の作成だけでなく現場間のコミュニケーション全体を改善したい

注意点

  • 初期費用が20万円以上。導入コストがやや高め
  • 月額19,800円〜(30アカウント)。少人数では割高感がある
  • ネットワーク工程表(クリティカルパス分析)には非対応

4. Kizuku(キズク) — 13万社が使う現場コミュニケーション基盤

コムテックス社が提供する施工管理アプリで、チャットを基盤とした現場コミュニケーションに強みを持ちます。利用社数は13万社に達しており、協力会社を含めた情報共有のしやすさが高く評価されています。

工程管理機能に加えて、施工日報、検査報告書、AI機能、リモート現場映像会議など多彩な機能を搭載。安全管理や労災保険の手続きにも対応しており、工程管理を起点に現場業務全体をデジタル化したい会社に向いています。

向いている企業

  • 協力会社・職人との情報共有に課題がある
  • 工程管理と日報・検査報告を連動させたい
  • AI機能やリモート会議など先進的な機能に関心がある

注意点

  • 初期費用11万円(税込)が発生する
  • 月額料金はアカウント数に応じた従量制で、大人数では費用が膨らむ
  • ストレージが5GBまで。追加は1GBあたり1,100円/月

5. AnyONE(エニワン) — 工程から原価・見積もりまで一体管理

導入企業3,400社以上、継続率99.5%を誇る建設業向けオールインワン業務管理システムです。工程表の作成だけでなく、見積書・契約書の作成、原価管理、帳票出力まで一元管理できます。

Excelに近い操作感で設計されているため、普段Excelで工程表を作っている会社がスムーズに移行しやすいのが特徴です。工程表と原価データが連動しているため、「この工程にいくらかかっているか」がリアルタイムで把握できます。

向いている企業

  • 工程管理と見積・原価管理を1つのシステムにまとめたい
  • Excelでの管理から脱却したいが、操作感は大きく変えたくない
  • 帳票出力やワークフローの効率化も求めている

注意点

  • 月額18,000円〜(スタンダードプラン)。フルプランは月額23,000円〜
  • 工程管理に特化したソフトではないため、大規模工事のネットワーク工程表には不向き
  • 導入研修(有料オプション)を利用しないと定着しにくい場合がある

6. サクミル — 月額9,800円で30名まで使える高コスパ型

短期工事・多現場を管理する事業者を中心に導入が進んでいるクラウド型現場管理システムです。初期費用・サポート費用が無料で、月額9,800円(税別)で30アカウントまで利用可能。31名以降は1アカウントあたり月額100円と、業界でもトップクラスのコストパフォーマンスを持ちます。

日報・スケジュール機能と連動して資材費・労務費・協力会社費を自動集計し、原価・粗利をリアルタイムで算出。経営レポートがダッシュボードに自動表示されるため、経営者にとっても有用です。App Storeでの評価は4.2と高水準で、使いやすさに定評があります。

向いている企業

  • 短期工事が多く、多数の現場を並行管理している
  • 初期費用をかけずに導入したい
  • 工程管理と原価管理をセットで効率化したい

注意点

  • 2025年9月に月額4,000円から9,800円へ値上げ。今後の価格改定にも注意
  • ガントチャートの高度な編集(ネットワーク工程表、クリティカルパス)には非対応
  • 大規模工事向けの詳細な工程管理にはやや機能が不足する

7. 現場ポケット — アカウント・現場数が無制限

登録ユーザー数35,000名以上、契約更新率95.5%を誇る現場管理アプリです。月額9,680円(税込・年間契約)でアカウント数と現場登録数が無制限という料金体系が大きな特徴です。協力会社を含めて全員分のアカウントを追加費用なしで発行できるため、利用者数が多い会社ほどコストメリットが大きくなります。

基本機能はトーク・掲示板・写真アルバム・日報・報告書で、工程管理機能はオプションとして追加可能です。現場連絡と写真共有を中心に使いたい会社が、追加で工程管理も一元化するケースに適しています。

向いている企業

  • 協力会社が多く、アカウント数を気にせず使いたい
  • まずは現場連絡・写真共有から始めて、段階的に工程管理を追加したい
  • 月額費用を一定額に抑えたい(人数が増えても料金が変わらない)

注意点

  • 工程管理機能は標準搭載ではなくオプション
  • 1ファイルの容量上限が10MB、1現場あたり写真数は最大1,000枚
  • 高度な工程表作成(ネットワーク工程表など)には対応していない

8. KANNA(カンナ) — シンプル操作で中小に人気

操作のシンプルさに定評がある施工管理アプリです。ITに不慣れな現場でも導入しやすく、50代・60代の職人でも直感的に使えるUI設計が評価されています。報告書作成機能が充実しており、テンプレートを選んで写真を貼り付けるだけで見栄えのよい報告書が完成します。

工程管理はガントチャート形式に対応。シンプルなぶん、大規模工事の詳細な工程管理には機能が足りない場面がありますが、5〜30名規模の中小建設会社であれば十分なスペックです。

向いている企業

  • 従業員5〜30名の中小建設会社
  • ITリテラシーが高くない現場でも定着させたい
  • 報告書作成の効率化を重視している

注意点

  • 料金は非公開(要問合せ)
  • 原価管理機能は搭載されていありません。原価管理は別ツールとの併用が必要
  • 大規模工事・複雑なネットワーク工程表には不向き

9. クラフタ — 基本無料の施工管理アプリ

株式会社グローバが提供する施工管理アプリで、初期費用・月額料金ともに基本無料で利用できます。無料で使える理由は、アプリ内の建材・工具などの広告収益と、運営会社が展開する建材マッチングサービスの事業収益が背景にあります。

施工管理・顧客管理・現場管理・チャットなど基本機能は無料で使えますが、工程表の作成や報告書作成機能は有料オプションです。「まずは無料で施工管理アプリを試してみたい」という会社にとっては、初期のハードルが低い選択肢になります。

向いている企業

  • まずは無料で施工管理のデジタル化を体験したい
  • 現場連絡と顧客管理を中心に使いたい
  • 導入コストをゼロに抑えたい

注意点

  • 工程表作成・報告書作成は有料オプション。無料で使えるのは基本機能のみ
  • 広告が表示される
  • 大規模企業での運用には機能的に不十分な場合がある

10. CONOC建設業クラウド — 粗利改善に直結する原価管理連動型

導入企業700社以上、粗利改善の実績が豊富な建設業特化の業務管理システムです。工程管理と原価管理がデータで連動しており、工程の進捗に応じた原価の消化率をリアルタイムで確認できます。

月額5,000円〜、1人あたり月額1,000円からと、比較的安価に導入可能です。「工期を守りながら利益を確保する」という経営課題に直結するため、粗利率の改善を目指す経営者から支持されています。

向いている企業

  • 工程管理と原価管理を連動させて粗利を可視化したい
  • 月額コストを抑えて始めたい
  • 経営数値の見える化を重視する経営者

注意点

  • 初期費用が別途発生(要問合せ)
  • 工程管理の専用機能(ネットワーク工程表など)は限定的
  • 大規模ゼネコン向けの高度な工程管理には不向き

企業規模別おすすめ — 自社に合ったソフトを見つける

10製品を見比べても迷う場合は、企業規模と課題ベースで絞り込むのが近道です。

企業規模別のおすすめソフト

1人親方〜5名 — クラフタ(無料で始める)or サクミル(月額9,800円で原価管理もカバー)

5〜20名 — サクミル or KANNA(シンプル操作で定着しやすい)

20〜50名 — ダンドリワーク or AnyONE(工程+コミュニケーション or 工程+原価の一体管理)

50名以上 — ANDPAD(業界シェアNo.1、総合力で選ぶ)or 現場ナビ工程(土木系でネットワーク工程表が必要な場合)

課題・ニーズおすすめ製品理由
コスト最優先クラフタ / サクミル基本無料 or 月額9,800円で30名対応
操作のシンプルさKANNA / 現場ポケットITに不慣れな職人でも使いやすいUI
工程管理の専門性現場ナビ工程バーチャート+ネットワーク工程表の併用が可能
工程+原価の一体管理AnyONE / CONOC建設業クラウド工程の進捗と原価の消化率が連動
協力会社との情報共有ダンドリワーク / Kizukuチャット機能を軸にした現場コミュニケーション
大規模・多機能ANDPAD工程・写真・図面・受発注・原価を一元管理

自社の「最も解決したい課題」を1つに絞り、その課題に強い製品から検討を始めることで、選定がスムーズに進みます。

導入ステップ — 工程管理ソフトの選定から運用定着まで

1

現状の課題を洗い出す

現在の工程管理で何に時間がかかっているか、どこで情報が止まっているかを整理します。「紙のバーチャートの修正に毎週2時間かかっている」「下請けへの工程変更連絡がFAXで遅れる」など、具体的な場面を書き出してください。

2

候補を2〜3製品に絞る

上記の規模別・課題別おすすめを参考に、候補を2〜3製品に絞ります。公式サイトで資料請求し、営業担当からデモを受けるのが効率的です。

3

無料トライアルで2製品を並行テスト

1つだけ試すと「こんなものか」で終わりがちです。2製品を並行して試すことで比較基準が明確になります。テスト期間中は50代以上の職人にも実際に触ってもらい、操作性を検証してください。

4

トライアル結果を評価して導入決定

操作性・機能充足度・サポートの品質・コストの4軸でスコアリングし、導入製品を決定します。決定後は管理者アカウントの設定・マスタデータの登録・社内への説明会を経て本番運用に移行します。

5

3ヶ月かけて全現場に展開・定着

いきなり全現場で使い始めるとトラブルが集中します。まず1〜2現場でパイロット運用し、課題を洗い出してから全社展開するのが失敗しにくい進め方です。現場責任者をキーマンに据えて推進体制を構築しましょう。

導入を急ぎすぎると、現場からの反発を招くリスクがあります。「3ヶ月で全現場に展開」というスケジュール感を目安にするとよいでしょう。

施工管理アプリの選定・導入プロセスについては「施工管理アプリ比較 — 中小建設会社が選ぶべきおすすめ8選」でも詳しく解説しています。工程管理に加えて写真管理・日報管理も含めた総合比較を確認したい方はあわせてご覧ください。

デジタル化・AI導入補助金を活用して導入コストを抑える

工程管理ソフトの多くは、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象製品として登録されています。この補助金を活用すれば、導入費用の一部が補助され、実質的な負担を大幅に軽減できます。

2026年度の補助金概要を確認しておきましょう。

  • 補助率 — 中小企業は1/2〜2/3(枠によって異なる)
  • 補助額 — 数十万円〜数百万円(申請するソフトの内容と枠による)
  • 対象 — クラウド型ITツール(施工管理・工程管理・原価管理ソフトを含む)
  • 申請先 — 中小企業基盤整備機構(IT導入支援事業)

※ 補助率・補助額・公募スケジュールは年度ごとに変更される可能性があります。最新情報はデジタル化・AI導入補助金 公式サイトでご確認ください。

補助金申請のポイント
  • 導入したいソフトが「IT導入支援事業者」として登録されているか、公式サイトのツール検索で事前に確認する
  • 補助金の交付決定前にソフトを契約・購入すると対象外になるため、申請スケジュールの確認が必須
  • 認定支援機関(税理士・中小企業診断士等)に相談すると、事業計画書の作成がスムーズに進む

補助金を使った建設業のIT導入の全体像は「建設業のIT導入補助金活用ガイド」で詳しくまとめています。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

工程管理ソフトの費用はどのくらいかかりますか?
月額4,000円〜20,000円程度が相場です。安価なものではサクミル(月額9,800円/30名)やCONOC建設業クラウド(月額5,000円〜)、PC特化型の現場ナビ工程(月額4,000円/1PC)があります。ANDPAD等の大手製品は要問合せですが、月額数万円程度が目安です。デジタル化・AI導入補助金を使えば実質負担を軽減できます。
Excelの工程表から移行するのは大変ですか?
多くの製品がCSVインポートに対応しており、Excelで作成した工程データを取り込めます。AnyONEのようにExcelに近い操作感を持つ製品を選べば、学習コストを最小限に抑えられます。まずは1現場だけで試してみるのが失敗しにくい進め方です。
バーチャートとネットワーク工程表の両方に対応している製品はありますか?
現場ナビ工程が両方に対応しています。同一画面上でバーチャートとネットワーク工程表を混在させることも可能です。土木系の大規模工事でクリティカルパス分析が必要な場合は、現場ナビ工程が有力な選択肢になります。
スマホだけで工程管理は完結しますか?
ANDPAD、ダンドリワーク、Kizuku、KANNA等のクラウド型アプリはスマホでの工程確認・更新が可能です。ただし、詳細な工程表の作成・大幅な編集はPCのほうが操作しやすい場面もあります。日常的な進捗確認はスマホ、工程表の大幅修正はPCという使い分けが一般的です。
工程管理ソフトと施工管理アプリは何が違いますか?
工程管理ソフトはスケジュール策定・進捗管理に特化しています。施工管理アプリは工程管理に加えて写真管理・日報・チャット・図面共有などの機能も含む総合型です。工程管理だけを効率化したいなら専用ソフト、現場業務全体をデジタル化したいなら総合型の施工管理アプリが適しています。
無料で使える工程管理ソフトはありますか?
クラフタは基本機能が無料で利用できます(工程表作成は有料オプション)。完全無料でガントチャートを作りたい場合はExcelテンプレートも選択肢ですが、複数人でのリアルタイム共有には限界があります。各製品の14〜30日間の無料トライアルを活用するのも有効です。
協力会社や下請け業者もアカウントを使えますか?
ANDPAD、ダンドリワーク、Kizuku、現場ポケットなど多くの製品で協力会社へのアカウント発行が可能です。現場ポケットはアカウント数無制限のため、協力会社が多い場合にコストメリットが大きくなります。製品ごとに協力会社向けのアカウント料金は異なるため、見積もり段階で確認してください。
ITに不慣れな職人でも使えますか?
KANNAやサクミルは操作がシンプルで、50代・60代の職人でも使いやすい設計です。導入前に無料トライアルで実際に触ってもらい、操作性を確認することをお勧めします。導入後は、ITに強い若手を「社内サポート担当」に据えると定着しやすくなります。
工程管理ソフトを導入するとどのくらい効率化できますか?
導入企業の事例では、工程表の作成・修正時間が月10〜15時間から3〜5時間に短縮(50〜70%削減)、工程変更の関係者への伝達が即時化(FAX・電話の手間がゼロに)、工期遅延の早期検知により手戻り工数が削減された、といった効果が報告されています。
導入から全社定着までどのくらいの期間がかかりますか?
一般的には3〜6ヶ月が目安です。最初の1ヶ月はパイロット現場での試験運用、2〜3ヶ月目で段階的に対象現場を拡大、4〜6ヶ月目で全現場への展開・定着というスケジュールが標準的です。導入支援が手厚い製品(ANDPAD、Kizuku等)を選ぶと、定着までの期間が短くなる傾向があります。

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