この記事の監修 山本 貴大 / ケンテク編集長

150プロジェクト以上のマーケティング/コンサルティング支援実績。認定支援機関と連携した補助金計画書の作成支援も手がける。

現場の要である60代のベテラン技能者に、65歳以降も長く活躍してもらいたい。しかし定年制度の見直しとなると、就業規則の変更や人件費の設計変更が必要になり、踏み出すのをためらっている経営者は少なくありません。

そこで活用できるのが「65歳超雇用推進助成金」です。定年の引き上げや廃止、無期雇用転換など、高年齢者雇用の制度整備に取り組んだ事業主に対して、最大160万円が支給される国の制度です。建設業では熟練技能者の高齢化が著しく進んでいる上、若年入職者の不足も深刻なため、60代・70代の人材を戦力として確保する取り組みは、業界全体の急務になっている。

本稿では、3つのコースの仕組みと助成額の試算、建設業特有の活用シナリオ、申請の実務手順を整理します。

建設業が「65歳超雇用」に取り組まなければならない理由

技能者の4人に1人がすでに60歳以上

建設業の技能者高齢化は、統計上も明確に表れている。総務省「労働力調査」をもとに国土交通省がまとめたデータによれば、建設業技能者に占める60歳以上の割合は約25.8%にのぼる。55歳以上まで広げると全技能者の36.6%、65歳以上だけでも約80万人(全体の16.8%)に達する。

一方、29歳以下の若年技能者は全体の11.6%しかいありません。過去20年間の推移を見ると、65歳以上の就業者は37万人規模から80万人規模へと倍増した一方、30〜49歳の中堅層は約238万人から177万人に大幅に縮小した。今後10年で引退年齢を迎える60代が大量に抜ける一方、その穴を埋める若手が圧倒的に不足している。

この構造は、一朝一夕では変わりません。型枠大工や鉄筋工、電気工など熟練技能者は、10年・20年の現場経験があって初めて一人前になる職種です。60代のベテランに65歳・70歳以降も働き続けてもらう仕組みを今のうちに整えておくことが、会社の存続に直結する問題になりつつあります。

出典: 建設業を取り巻く現状について — 国土交通省 不動産・建設経済局建設業課

建設業の平均年齢は全産業より2歳以上高い

全産業の平均年齢が約42歳台で推移しているのに対し、建設業は44.2歳(平成28年時点)で、近年はさらに上昇傾向にある。規模の小さい会社ほど若年層が少なく、平均年齢が50歳を超える専門工事会社も珍しくありません。

施工管理や現場監督を担う技術者の高齢化も進んでいる。建設業許可の更新や経営事項審査(経審)においては、主任技術者・監理技術者の在籍が必須要件だが、これらの資格を持つベテランが60代に集中していることも多い。定年で技術者を失えば、受注できる工事の規模や種別に直接影響が出る。

2025年改正でシニア雇用はより厳しい目で見られる

高年齢者雇用安定法は2021年4月施行の改正で、70歳までの就業機会確保が「努力義務」になった。2025年4月以降は65歳までの雇用確保(定年延長・再雇用など)が義務として再確認されており、60歳定年制を採用している会社でも「何らかの形で65歳まで働ける仕組みを持つこと」が前提になっている。こうした法改正は働き方改革推進支援助成金の活用対象にもなっており、制度整備を複数の助成金で支えることができる。

65歳超雇用推進助成金は、こうした法的な要請に応えながら制度整備にかかるコストを補う位置づけで設計されている。

65歳超雇用推進助成金とは何か

制度の概要と窓口

65歳超雇用推進助成金は厚生労働省が所管し、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の都道府県支部が申請窓口になる。ハローワーク(公共職業安定所)ではなく、JEEDへの申請であることに注意が必要です。

制度の目的は「高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働ける生涯現役社会の実現」であり、65歳以上への定年引き上げや雇用管理体制の整備、有期契約から無期雇用への転換といった取り組みに対して助成する。

コースは3つ用意されており、会社の状況や優先する取り組みに応じて選択する。

申請先はJEED(ハローワークではない)

65歳超雇用推進助成金の申請先は、厚生労働省傘下の独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」の都道府県支部です。ハローワーク(公共職業安定所)ではありませんので、問い合わせ先を間違えないようにしてください。各都道府県支部の所在地は、JEEDの公式サイトで確認できます。

コース別の助成内容一覧

コース対象となる取り組み最大助成額
65歳超継続雇用促進コース定年の引き上げ・廃止、66歳以上の継続雇用制度導入160万円
高年齢者評価制度等雇用管理改善コース高年齢者向け雇用管理制度の整備・運用30万円(初回)
高年齢者無期雇用転換コース50歳以上の有期契約労働者の無期転換30万円/人(中小)

建設業に最も関係が深いのは65歳超継続雇用促進コースで、助成額も最大160万円と大きい。従業員規模が小さい会社でも定年廃止を選択すれば受給できる仕組みになっている。

コース1:65歳超継続雇用促進コース(最大160万円)

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何をすると助成されるのか

このコースでは、以下の4つの措置のいずれかを実施した事業主が対象になる。

  • 65歳以上への定年の引き上げ(旧定年が65歳未満だった場合に限る)
  • 定年制の廃止
  • 66歳以上を対象とする継続雇用制度の導入
  • 他社による継続雇用制度の導入(グループ外の企業での継続雇用を認める仕組み)

「定年を廃止する」のが最もシンプルで、助成額も最大になる選択肢です。就業規則から「定年○○歳」の条項を削除し、労働基準監督署に届け出るかたちになる。

助成額の詳細(対象被保険者数別)

助成額は「何歳まで定年を引き上げたか」と「対象となる60歳以上の雇用保険被保険者が何人いるか」の組み合わせで決まります。

定年引き上げまたは定年廃止の場合

対象者数65歳への引上げ66〜69歳への引上げ70歳以上への引上げ・廃止
1〜3人15万円20万円30万円
4〜6人25万円35万円65万円
7〜9人30万円45万円95万円
10人以上30万円60万円160万円

継続雇用制度の導入(66歳以上)の場合

対象者数66〜69歳の制度70歳以上の制度
1〜3人15万円30万円
4〜6人25万円50万円
7〜9人30万円65万円
10人以上60万円100万円

建設会社で60歳以上の雇用保険被保険者が10人以上いる場合に定年を廃止すれば、最大160万円が一度に受け取れる。従業員30人未満の中小建設会社でも、熟練技能者が多ければ条件を満たすことは十分あります。

申請の主な要件

以下の3点が共通要件として確認される。

  • 旧定年年齢を上回る65歳以上への定年引き上げ等の制度を実施し、労働基準監督署に届け出済みであること
  • 就業規則の作成・変更を社会保険労務士または弁護士に委託し、費用を支出していること
  • 高年齢者雇用推進者を選任し、以下の7項目のうち1つ以上を実施していること

高年齢者雇用管理の7つの措置(1つ以上が必須)

  • 職業能力の開発および向上のための教育訓練の実施
  • 作業施設・方法の改善
  • 健康管理、安全衛生の配慮
  • 職域の拡大
  • 知識・経験・能力を活かせる配置・処遇・職場環境の整備
  • 賃金・人事処遇制度の見直し
  • 勤務時間制度の弾力化

建設業では「作業施設・方法の改善」(アシストスーツや転倒防止設備の導入)や「健康管理・安全衛生の配慮」(健康診断の拡充や熱中症対策)がすでに取り組んでいる内容と重なりやすい。エイジフレンドリー補助金と組み合わせて活用できる。

申請期限の考え方

制度の実施日が属する月の翌月から起算して4か月以内の、各月の月初から15日までが申請期限になる。たとえば4月1日に新しい就業規則を施行した場合、5〜8月の各月1〜15日が申請可能期間です。この期限を過ぎると申請できなくなるため、就業規則の変更完了後はすぐに申請準備を進める必要があります。

コース2:高年齢者評価制度等雇用管理改善コース(最大30万円)

対象となる取り組み

55歳以上の高年齢者を対象とした雇用管理制度を整え、雇用環境を改善する取り組みに対して助成するコースです。具体的には次のような措置が対象になる。

  • 高年齢者向けの評価・処遇制度の導入(シニア職掌制度、役割等級制度など)
  • 技能・ノウハウの継承のための研修・教育制度の整備
  • 就労形態の多様化(短時間勤務・隔日勤務の導入など)
  • 作業負荷軽減のための設備・機器の導入

建設業においては、60代技能者が週5日フルタイム勤務が難しくなってきた場合に週4日勤務や半日勤務を認める制度を就業規則に盛り込んだり、技能継承のための社内研修制度を整備したりするケースが当てはまる。

助成額の仕組み

支給額は「支給対象経費 × 60%(中小企業)」で計算する。ただし初回の申請に限り、実際の経費が50万円に満たない場合でも「50万円の費用を支出したものとみなす」という特例があります。

初回申請の場合: 50万円 × 60% = 最大30万円

2回目以降は実際にかかった経費(上限50万円)に60%を乗じた額が支給される。社会保険労務士や外部コンサルタントへの委託費、制度導入に使ったシステム費用などが対象経費に含まれる。

申請の流れは「雇用管理整備計画書の認定申請 → 計画に基づく措置の実施 → 支給申請」という段階を踏む。計画書の提出は計画開始の6か月前から3か月前の期間に行う必要があり、いきなり制度を整えて事後申請するスキームは使えません。

事前の計画認定が必須

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、制度を実施する前に「雇用管理整備計画書」をJEEDに提出し、認定を受ける必要があります。計画書の提出は計画開始の6か月前から3か月前の期間に限られています。先に動いてしまった取り組みには遡及適用できません。

コース3:高年齢者無期雇用転換コース(1人あたり30万円)

対象となる取り組み

50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を、無期雇用に転換した場合に助成されるコースです。助成額は対象労働者1人あたり30万円(中小企業)で、1適用事業所あたり年間10人分までが上限になる。

建設業では、現場の技能者を繁忙期に有期で採用し、年間通じて更新を繰り返しているケースが多い。50歳以上のそうした技能者が社内にいる場合、無期雇用に転換することで1人あたり30万円の助成を受けられる。

ただし転換できるのは、通算雇用期間が5年以内の者に限られる。すでに通算5年を超えている場合は、労働契約法第18条に基づく「5年超の有期契約労働者の無期転換申込権」が発生しているため、このコースの対象外になる。

申請の流れ

このコースも事前の計画認定が必要で、「無期雇用転換計画書」を計画開始の6か月前から3か月前の期間にJEEDへ提出する。計画が認定された後に実際の転換を行い、転換後の賃金を6か月分支給した時点で支給申請を行う。

転換から支給申請まで最低でも6か月以上かかるため、時間的な計画を立てて動くことが重要です。

建設業特有の活用シナリオ

シナリオA:型枠大工・鉄筋工など熟練技能者の定年廃止(65歳超継続雇用促進コース)

現場での作業能力に依存する熟練技能者は、70代になっても「体が動く限り続けたい」という意欲を持つ人が多くあります。特定の技能(型枠の組み付け精度、鉄筋の加工・組み立てなど)は年齢で補えるものではなく、若い技能者への技術移転が完了するまでは不可欠な存在です。

この場合、定年年齢を廃止して「身体的・精神的に業務遂行が困難になるまで働ける」という制度を設ける選択肢があります。就業規則から定年条項を削除し、労働基準監督署に届け出れば、10人以上の60歳以上被保険者がいる会社では160万円が受給できる。

人件費への影響も試算しておきたい。定年廃止による追加コストとしては、主に60〜65歳以降の賃金水準の設定が問題になる。仮に定年廃止によって1人あたり年間20万円の賃金増加が発生するとすれば、3人のベテランを5年間維持する総コスト増は300万円。一方、3人の中途採用・育成コストが1人あたり200〜300万円(採用費・教育費・戦力化までの期間コスト)とすれば、定年廃止の方が明らかにコスト効率が高い。助成金160万円はそのコスト差を縮める追い風になる。

シナリオB:施工管理・現場監督の勤務形態の見直し(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)

施工管理の仕事は、体力より経験と判断力が問われる領域です。60代・70代でも第一線で活躍できるが、拘束時間の長さや出張の多さが継続を妨げることが多くあります。

このコースを使えば、短時間勤務や特定現場への専任配置、在宅でのデスク業務と現場業務の組み合わせといった制度を就業規則に明記し、運用することで最大30万円を受け取れる。初回は50万円の経費みなし計算があるため、社会保険労務士への就業規則作成委託費(5〜10万円程度)だけでも30万円の助成が受けられる計算になる。

シナリオC:現場作業員の無期転換(高年齢者無期雇用転換コース)

季節や工期に応じて1年更新で採用してきた50代の技能者が複数いる場合、無期雇用への転換を検討する価値があります。転換によって「来年の継続が不確かな状態」が解消され、技能者側の安心感が増して定着率が向上する。会社としても、繁忙期ごとの採用コストを削減できる。

3人を転換した場合、助成額は3人 × 30万円 = 90万円になる。ただし転換後の処遇(賃金・社会保険の負担など)も含めてコストを試算した上で判断することが重要です。

建設業でのエイジフレンドリー補助金との組み合わせ

65歳超雇用推進助成金は、エイジフレンドリー補助金(高年齢労働者安全衛生対策補助金)と原則として併用できる。

エイジフレンドリー補助金は、60歳以上の労働者を雇用する中小企業が対象で、アシストスーツや転倒防止設備、段差解消スロープといった設備改善費用を最大4/5(上限100万円)補助する。

2つの制度を組み合わせると、次のような活用が可能になる。

  • 65歳超継続雇用促進コースで定年廃止 → 最大160万円
  • エイジフレンドリー補助金で現場安全設備を整備 → 最大100万円

合計で最大260万円の助成を受けながら、高齢技能者が安全かつ長く働ける環境を整備できる。CCUS(建設キャリアアップシステム)と組み合わせれば、高齢技能者の経験・実績の可視化にもつながる。

CCUS登録で高齢技能者の経験値を「見える化」できる

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能者の現場経験・保有資格を統合管理するシステムです。60代・70代のベテラン技能者の経験を登録・蓄積しておくことで、公共工事での加点評価(経審での活用)や、若手技能者への技術移転の基盤として活用できます。高齢者雇用の制度整備と合わせて検討する価値があります。

申請の実務手順(65歳超継続雇用促進コースの場合)

1

社会保険労務士に就業規則の作成・変更を依頼する

定年の引き上げまたは廃止を就業規則に反映するには、社会保険労務士または弁護士への委託が申請要件の1つになっています。自社で就業規則を変更しただけでは不可です。変更の内容・委託した事実・支出した費用の記録を残しておきます。

2

高年齢者雇用推進者を選任し、7つの措置のうち1つ以上を実施する

社内から高年齢者雇用推進者を選任します(特別な資格は不要)。同時に、教育訓練・作業環境の改善・健康管理の配慮など7項目のうち1つ以上を実施します。建設業では安全設備の整備や健康診断の拡充がわかりやすい選択肢です。

3

労働基準監督署に就業規則を届け出る

就業規則の変更後、所轄の労働基準監督署に就業規則を届け出て受理印をもらいます。常時10人以上の労働者がいる事業所では届出義務があります。10人未満の会社でも、届出を済ませておくことが申請書類として求められます。

4

支給申請書と必要書類を準備してJEEDへ提出する

制度の実施日が属する月の翌月から起算して4か月以内の、各月月初から15日までが申請期限です。支給申請書(所定の様式)に加えて、旧・新の就業規則、届出済みの受理印付き就業規則の写し、専門家への委託契約書と領収書、高年齢者雇用管理措置の実施内容がわかる資料を添付します。

5

審査・実地調査への対応

書類審査後、必要に応じてJEEDの担当者が実地調査に来ることがあります。就業規則の実運用状況や措置の実施状況が確認されます。書類と実態が一致していることが求められるため、制度を整えた後は実際に運用しておくことが必要です。

6

助成金の振り込み

審査が通れば指定口座に助成金が振り込まれます。申請から支給まで、通常3か月程度かかります。審査が長引く場合もあるため、資金繰りには余裕を持って計画してください。

申請時に用意する主な書類

  • 支給申請書(JEED所定様式)
  • 新旧の就業規則(変更前と変更後の両方)
  • 就業規則の労働基準監督署受理印付き写し
  • 高年齢者雇用推進者の選任に関する書類
  • 高年齢者雇用管理措置(7項目のいずれか)の実施を証明する書類
  • 社会保険労務士等への委託契約書と支払い領収書
  • 対象となる60歳以上の雇用保険被保険者名簿(氏名・生年月日・入社日)
  • 支給要件確認申立書(共通様式)

書類の不備があると補正を求められ、審査が遅れる。申請前に社会保険労務士と一緒に書類を確認するのが確実です。

申請で失敗しやすいポイントと対策

申請窓口をハローワークと混同する

多くの雇用関係の助成金はハローワーク経由で申請するため、同じように問い合わせてしまうケースがあります。65歳超雇用推進助成金の申請先はJEED(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の都道府県支部で、ハローワークとは別組織です。問い合わせ先を最初に確認しておく。

申請期限を見落とす

「制度実施月の翌月から4か月以内、かつ各月1〜15日に申請」という二重の期限があります。15日を過ぎると当月は申請できず、次の月初まで待つことになる。また4か月の期限を過ぎると、その時点で申請権がなくなる。就業規則の変更・届け出が完了したら、すぐにJEEDへの申請スケジュールを組み込む。

就業規則と実態が乖離している

就業規則の上では65歳定年廃止になっているが、実際には60歳で退職させているという運用は問題になる。実地調査で確認される可能性があるため、制度を変えたら実際の雇用管理にも反映させる必要があります。

高年齢者雇用管理措置の証拠書類が弱い

7つの措置のうち1つを「実施した」と申請するには、実施内容を証明する書類が必要です。「健康診断を拡充した」なら実施日・受診者名・結果の記録。「研修を行った」なら実施日・参加者・内容が記録された研修資料。書類を整えずに申請すると、補正を求められるか不支給になるリスクがあります。

専門家委託を省略しようとする

就業規則の変更を自社内で行った場合、社会保険労務士等への委託要件を満たさないため申請できません。費用節約のために社内対応しようとすると、助成金を受け取れなくなる。委託費用は通常5〜15万円程度で、助成金の額に比べれば小さい出費です。

3コースの比較と選択の考え方

項目65歳超継続雇用促進コース高年齢者評価制度等雇用管理改善コース高年齢者無期雇用転換コース
最大助成額160万円30万円(初回)30万円/人(中小)
申請のタイミング制度実施後(事後申請)事前計画認定が必要事前計画認定が必要
主な対象取り組み定年廃止・延長雇用管理制度の整備有期→無期転換
建設業での適合度熟練技能者・施工管理職に有効勤務形態の柔軟化に有効現場の有期技能者に有効
手続きの難易度社労士と連携すれば比較的容易計画認定が複雑計画認定と転換後の運用が必要

建設業の中小企業が初めて取り組む場合は、助成額が最大で手続きの流れも比較的わかりやすい「65歳超継続雇用促進コース」から始めるのが現実的です。定年廃止を選択すれば、会社が成長する中で対象者数が増えても都度申請できる(ただし同一の制度変更での重複申請はできない)。

すでに65歳までの定年延長が完了している会社は、高年齢者評価制度等雇用管理改善コースで処遇・評価の制度を整え、長期的に高年齢者が活躍できる職場環境を作っていく流れが自然です。65歳超雇用推進助成金以外にも建設業が活用できる制度は多く存在します。建設業の補助金・助成金一覧で全体像を確認しておくとよい。

よくある質問

65歳超雇用推進助成金は建設業でも申請できますか?
はい、建設業でも申請できます。業種の制限はなく、要件を満たす事業主であれば申請可能です。建設業では熟練技能者の高齢化が特に進んでいるため、定年廃止や継続雇用制度の整備に取り組む企業には特に有効な制度です。
定年を65歳から70歳に引き上げるだけでも対象になりますか?
はい、対象になります。旧定年年齢を上回る形で65歳以上に定年を引き上げる場合、または66歳以上の継続雇用制度を導入する場合が対象です。対象となる60歳以上の雇用保険被保険者の人数に応じて助成額が変わります。
申請先はどこですか?ハローワークでいいですか?
申請先は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の都道府県支部です。ハローワーク(公共職業安定所)ではありません。各都道府県支部の所在地はJEEDの公式サイトで確認してください。
就業規則の変更を自社でやっても申請できますか?
65歳超継続雇用促進コースでは、就業規則の作成・変更を社会保険労務士または弁護士に委託し、費用を支出していることが申請要件の1つです。自社内で変更した場合は要件を満たさないため申請できません。
エイジフレンドリー補助金と併用できますか?
原則として併用可能です。エイジフレンドリー補助金は60歳以上の労働者の安全設備整備を補助する制度(最大100万円)で、65歳超雇用推進助成金とは支援目的が異なります。両方の要件を満たせば、合計で最大260万円の支援を受けながら高齢者が長く働ける環境を整備できます。
申請から支給まで何か月かかりますか?
申請後の審査期間は通常3か月程度です。書類に不備があると補正対応で追加の時間がかかります。資金繰りへの影響を考慮して、受給前提で支出計画を組むことは避けた方が安全です。
従業員が少ない小規模建設会社でも申請できますか?
申請できます。対象となる60歳以上の雇用保険被保険者が1人以上いれば申請資格はあります。ただし助成額は対象被保険者の人数に応じて変わるため、人数が少ない場合は最大額には届きません。1〜3人の場合でも定年廃止なら30万円の助成を受けられます。

参考情報


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